解説で深緑野分も書いてますけど、なかなか魅力を伝えることが難しい本。 ジャンルとしては短編小説になりますが、10ページにも満たない作品がほとんどで、3ページほどのものもあります。 この長さだといわゆるショート・ショート的なものを想像しますが、星新一のショート・ショートや、あるいは最近中高生に人気の「5分後」シリーズに比べると、最大の特徴はオチがないことです。 冒頭の作品は「一年一組一番と二組二番は、長雨の夏に渡り廊下のそばの植え込みできのこを発見し、卒業して2年後に再会したあと、十年経って、二十年経って、まだ会えていない話」と題されていますが、基本的にはこのタイトル通りのことが起こります。 もちろん単純に会えないだけではなく、そこには不思議なめぐり合わせもあるのですが、するすると時間が流れていきます。 この「時間の流れ」というのは本書の大きな特徴で、とにかく時間が流れます。 大河ドラマの「
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