104歳の中野清香(なかの・きよか)さんは「地獄」を知っている。約80年前、そこにいたからだ。 水たまりに頭を突っ込んで倒れている兵士がいた。まだ生きているのに、誰も助け起こさない。 蛆(うじ)がわく死体の隣で眠っても、死臭が気にならなくなっていた――。 「戦争が終わった時、喜怒哀楽の感情がすっかり抜けていた。今考えると、とても恐ろしい」 子犬の肉球まで食った 太平洋戦争で最も悲惨な戦場の1つといわれる東部ニューギニア(現在のパプアニューギニア)の戦い。日本に戻ることができた兵士は1割もいないとされる。 「食い物のことしか頭にない。敵の攻撃も恐ろしくなかった」 イナゴを捕まえて羽をむしり、そのまま食べた。10センチぐらいのトカゲを火の中に放り込んで口にいれた。山中でちょろちょろと歩いてきた子犬を殺し、足裏の肉球まで食らいついた。 降伏は許されず、突入して潔く死ぬよう玉砕命令が出た時、銃1丁
元自衛官の女性への強制わいせつ容疑で書類送検され、その後、不起訴となった3人の男性自衛官について、検察審査会が「不起訴不当」と議決しました。 元陸上自衛官の五ノ井里奈さんは、去年8月、郡山駐屯地に勤務していた際、3人の男性隊員に押し倒され、腰を押し付けられるなどの性被害にあったと訴え、被害届を提出しました。 その後、3人は強制わいせつの疑いで書類送検されましたが、不起訴処分となりました。 これについて、郡山検察審査会は、今月7日、「捜査が十分に尽くされたとは言い難い」などとして、「不起訴不当」と議決し、きょう公表しました。 議決では、「唯一の証拠である被害者の供述を排斥し、泣き寝入りを強いる以上は、供述の信用性の判断をより慎重に行う必要がある」などと指摘しています。これを受け、検察は再び捜査を行い、起訴するかどうかを改めて判断します。 五ノ井さんは今年6月に実名で被害を訴え、防衛省は全自衛
「欧州最後の独裁者」と呼ばれるベラルーシのルカシェンコ大統領。ベラルーシで何が起きているのか。不正が疑われている2020年の大統領選の経緯や各国の反応をまとめています。 ルカシェンコ大統領の人物像 ・ベラルーシの政治体制と内政(外務省) ・大統領はどういう人物?(時事通信) 選挙とデモの経緯 ・"現職圧勝"の選挙 何が起きた?(NHK) ・不正選挙疑惑で連日抗議デモ(AFPBB News) ・大統領選後、弾圧を強化(時事通信) ・大統領選元候補に禁錮14年(時事通信) 各国の反応 ・「6選」中露祝福 欧米は批判(産経新聞) ・"後ろ盾"ロシアとの関係とは(NHK) ・国民は反プーチンの感情も(時事通信) 強制着陸問題 ・なぜ「国家がハイジャック」?(NEWS グラフィティ) ・大統領、西側非難「弱体化が狙い」(ロイター)
「伝説になっちゃダメなんだよ。生きていかなきゃ、いつ死ぬか分からないんだから」 5年前に急性心不全で他界したbloodthirsty butchersの吉村秀樹が、生前に語った言葉だ。 あまりにも突然の死── 唯一無二の音を生み出し、ジャンルを超えた多くのアーティストから愛され続ける吉村は、自身の思いとは裏腹に「伝説」となってしまった。 残された人々は今、どのような思いを抱えているのだろうか。 ジャイアンな吉村さんが好きでした ── 浅野忠信 俳優業だけにとどまらず、SODA!やPEACE PILL、SAFARI、Rといった数々のバンド活動も行ってきた浅野。彼は吉村の訃報を知ったとき、こうつづっていた。 「俺はこの人にギターの音の作り方を教わったんだ」 もともとbloodthirsty butchers(以下:ブッチャーズ)が好きで、ライブを見に行っていた。 そんな中、ブッチャーズと共演す
2013年5月27日、ひとりのアーティストがこの世を去った。 bloodthirsty butchers 吉村秀樹。 急性心不全で、46歳という早すぎる死だった。 突然の訃報を受け、多くの人々が悲しみに打ちひしがれたあの日から5年── bloodthirsty butchers(以下:ブッチャーズ)の魅力は、いまだ色あせない。 国内にとどまらず、ベックやフガジといった海外ミュージシャンにも認められる彼らの音楽は、多くのアーティストに影響を与えた。 そんな伝説的バンドのフロントマンとは、どんな人物だったのか。残された仲間たちは何を思っているのか。 吉村を愛してやまない人々の証言を通して、彼の人生をたどる。 まだ、この世にいそうな気がしますね ── ASIAN KUNG-FU GENERATION 後藤正文 「吉村さんについて教えてほしい」 全国ツアーの真っただ中、多忙でありながらも後藤は依頼
特別展「夜間中学生−学ぶたびくやしく・学ぶたびうれしく−」が、大阪市浪速区の大阪人権博物館で開かれている。貧しさや病気などの事情で学習する機会を奪われてきた当事者らの切実な声や、同市立天王寺中学の夜間学級が開設されるまでの歩みを、150点以上の資料を通して紹介している。16日まで。 夜間中学は、終戦後の混乱期や貧困などを背景に学校に通えない子どものために開設され、1955年には全国に89校ができ、5千人以上が学んだという。 現在、公立の夜間中学は大阪府など8都府県に31校が設置され、日本人や中国人、在日コリアンなど年齢や国籍に関係なく学んでいる。ボランティアらによる民間の夜間中学もある。 ■心情は複雑 特別展は、夜間中学が果たしてきた役割を改めて見つめ直そうと、教員や卒業生のOBでつくる「夜間中学生歴史砦(かん)」と同館が企画した。 展示品のうち、2004年に守口夜間中学の生徒らが編んだ詩
大阪市を廃止して特別区を設置する「大阪都構想」の新たな制度案を話し合う法定協議会(法定協)の初会合が27日、大阪市役所で開かれた。特別区について、4区案と6区案を基に議論を進めていくことが決まった。吉村洋文市長は「(素案ができるのは)2、3カ月かかる」として、秋までに素案を示す考えを明らかにした。 法定協は府知事と大阪市長、府議会の代表9人、市議会の代表9人の計20人で構成。特別区の区割りや名称などを盛り込んだ都構想の設計図を取りまとめるのが目的。 素案には広域自治体と特別区の収支見通しである財政シミュレーションや、特別区との事務分担も盛り込む。大阪維新の会はこれらの素案を基に設計図を取りまとめ、来年秋の住民投票実施を目指している。 初会合で吉村市長は「行政としての素案を示した上で、法定協で議論を深めたい」と提案。これに対し都構想に反対する自民は、法定協に参加する各会派の代表による会
日本ペンクラブ 山田健太氏の懸念 【時代の正体取材班=田崎 基】政府が間もなく閣議決定しようとしている「共謀罪法案」。テロ等組織犯罪準備罪と名を変えても、犯罪を計画段階で処罰する内実はなんら変わらない。1921年創立の「日本ペンクラブ」が表明した反対声明文を起案した言論表現委員長の山田健太専修大教授(言論法)は、関心の薄い社会、とりわけ報道人の姿勢にこそ危機感を抱く。「法が成立すれば表現の自由は萎縮する。根拠のない推測ではない。歴史的事実が物語っている」 日本ペンクラブが感じている危機感は極めて強い。それは存在意義、発足の原点こそが「表現の自由」を守ることにあるからだ。私たちは常に「社会のカナリア」であろうとしている。少しでも危機があればその芽を摘み取らなければならない。 会員の平均年齢が70歳を超えているというせいもあるだろう。戦争で父を失っていたり、幼少期に終戦を迎えた人も少なくな
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