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ブックマーク / nhkbook-hiraku.com (52)

  • 人生は限りがあると意識する――「不安を味方にして生きる」清水研 #25[死を味方にして生きる]|本がひらく

    不安、悲しみ、怒り、絶望……。人生にはさまざまな困難が降りかかります。がん患者専門の精神科医として4000人以上の患者や家族と対話してきた清水研さんが、こころに不安や困難を感じているあらゆる人に向けて、抱えている問題を乗り越え、豊かに生きるためのヒントをお伝えします。 *第1回からお読みになる方はこちらです。 #25 死を味方にして生きる梅びしおと海老バーガー 以前、すい臓がんが進行して入院中の山口尚子さん(仮名・60歳女性)と何度かお話しする機会がありました。私には明るく接し、「もう十分がんばったし、死ぬのは怖くないです」と話されました。「渋沢栄一ゆかりの家に行ったとき、とても懐かしいにおいがして、昔私はここにいたんだと確信したんです。いまの私はそのときの生まれ変わり。次はどこに生まれるのかな」と、輪廻転生を信じているようでした。 山口さんにとっては、腫瘍が大きくなって十二指腸を圧迫し、

    人生は限りがあると意識する――「不安を味方にして生きる」清水研 #25[死を味方にして生きる]|本がひらく
    kiku72
    kiku72 2024/09/03
    “がん患者専門の精神科医として4000人以上の患者や家族と対話してきた清水研さん”
  • 統合失調症になったのは自分だけじゃない、そう思えたから。「孤独じゃない」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく|本がひらく

    統合失調症になったのは自分だけじゃない、そう思えたから。「孤独じゃない」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく 「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #21 孤独じゃない たいへん喜ばしいことに、こどくには「一生のおともだち」と呼べるひとがなんにんかいる。当におともだちたちには感謝の意を伝えたい。というより、常日頃伝えている。 こどくがかかった統合失調症という病気は、妄想や幻覚などの陽性症状を伴い、人間関係にまで影響を及ぼすことがある。それは、当事者にはどうしようもないことだ。 たとえば、目の

    統合失調症になったのは自分だけじゃない、そう思えたから。「孤独じゃない」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく|本がひらく
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    kiku72 2024/09/03
    “高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか”
  • 異なる国の人と一緒に料理をすると、小さな発見がたくさん転がっている。「チヂミには酢醬油をつけた玉ねぎを」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加|本がひらく

    異なる国の人と一緒に料理をすると、小さな発見がたくさん転がっている。「チヂミには酢醬油をつけた玉ねぎを」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加 自炊料理家として多方面で活躍中の山口祐加さんが、日々疑問に思っていることや、料理や他者との関わりの中でふと気づいたことや発見したことなどを、飾らず、そのままに綴った風景の記録。山口さんが自炊の片鱗に触れ、「料理に心が動いた時」はどんな瞬間か。今年の4月から世界中の「日常のごはん」を求めて、海外に赴いている山口さん。今回は韓国の済州島を訪ね、現地の方々との交流や一緒につくった韓国のごはんについて綴ります。 ※第1回から読む方はこちらです。 #14 チヂミには酢醬油をつけた玉ねぎを 5月の上旬。私は韓国のハワイと呼ばれている済州チェジュ島︎を4日間訪れました。済州島の空港で私を迎えてくれたのは、ソウルで小さな屋を営み、コーディネータ

    異なる国の人と一緒に料理をすると、小さな発見がたくさん転がっている。「チヂミには酢醬油をつけた玉ねぎを」――料理に心が動いたあの瞬間の記録《自炊の風景》山口祐加|本がひらく
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    kiku72 2024/09/02
  • 宮島未奈『モモヘイ日和』第5回「いざ、白雪町をよくする会」|本がひらく

    24年屋大賞受賞作『成瀬は天下を取りにいく』の作者・宮島未奈さんの新作小説が「基礎英語」テキストにて好評連載中です。「がひらく」では「基礎英語」テキスト発売日に合わせ、最新話のひとつ前のストーリーを公開いたします。 とある地方都市・白雪町を舞台に、フツーの中学生・エリカたちが巻き起こすドタバタ&ほっこり青春劇! 前回までのあらすじ バスケ部の先輩がもたらした情報により、プリンスが百平の孫だということが判明する。プリンスを“ 推す” ことに決めたエリカとミサト。ある日、地元のショッピングモール「ローズモール」に出かけた二人は、誰かと熱心に話し込む百平に出会う。 ローズモールの屋さんの前で、わたしとミサトは百平ももへいさんに話しかけられてしまった。走って逃げるわけにもいかず、「はいっ」と立ち止まる。 「ちょうどいいところで出会った。君たちにも協力してほしいことがある」 何を頼まれるんだろ

    宮島未奈『モモヘイ日和』第5回「いざ、白雪町をよくする会」|本がひらく
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    kiku72 2024/08/15
    “24年本屋大賞受賞作『成瀬は天下を取りにいく』の作者・宮島未奈さんの新作小説が「基礎英語」テキストにて好評連載中”
  • さびしさは鳴り、そして共鳴しない。――「ことぱの観察 #17〔さびしさ〕」向坂くじら|本がひらく

    詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。 さびしさ さびしさは鳴る。 その一文ではじまる小説『蹴りたい背中』が芥川賞を最年少受賞したとき、わたしは小学生で、小説を書いていた。テレビに映る十九歳の綿矢りささんはきらきらしていたけれど、それでいて自分とさほど変わらない歳にも見えた。その少しあとにわたしは引っ越すことになり、転校した小学校の図書室で『蹴りたい背中』を見つけた。この一文に出会うのにぴったりのタイミングだった。図書室にばかりいたのは、が好きだったからというだけが理由ではない。コの字型に中庭が置かれた校舎に、わたしのいられる場所は少なかった。棚の陰に丸まって隠れ、休み時間の終わりをやり過ごそうとするのはしょっちゅうで、司書の先生の手をよく焼かせた。

    さびしさは鳴り、そして共鳴しない。――「ことぱの観察 #17〔さびしさ〕」向坂くじら|本がひらく
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    kiku72 2024/05/31
    綿矢りさの小説の影響
  • 体調を戻すことがなによりだいじだから、ゆっくりやすもう。「むりなときはある」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく|本がひらく

    体調を戻すことがなによりだいじだから、ゆっくりやすもう。「むりなときはある」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく 「同じ病で苦しむ仲間とつながりたい、救いたい、当事者以外の人たちにも病気のことを知ってほしい」という思いでVTuberになり、配信を通してメッセージを伝え続けるもりのこどくさん。高校生で統合失調症になった彼女がいかにしてVTuberになったのか、その足跡を綴ったエッセイ連載です。 ※#0から読む方はこちらです。 #5 むりなときはある こどくは、16歳で統合失調症を発症し、高校に通えなくなり、長い休学期間を経て、20歳で高校に復学し、21歳で大学1年生となった。ようするに、高校に6年通ったのだ。 その6年間、さまざまなことがあったが、印象に残っているのは、1回目の大学受験である。 こどくは大学受験を2回経験している。実質的に言うとはじめの1回は未遂、と

    体調を戻すことがなによりだいじだから、ゆっくりやすもう。「むりなときはある」――《こどく、と、生きる》統合失調症VTuber もりのこどく|本がひらく
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    kiku72 2024/05/13
  • サボる哲学 リターンズ! 第4回 己を打ちすて、たのしいをとりもどす |本がひらく

    我々はなぜ心身を消耗させながら、やりたくない仕事、クソどうでもいい仕事をし、生きるためのカネを稼ぐのか? 当たり前だと思わされてきた労働の未来から、どうすれば身体をズラせるか? 気鋭のアナキスト文人・栗原康さんの『サボる哲学』(NHK出版新書)がWEB連載としてカムバック。万国の大人たちよ、駄々をこねろ! よし、もういちど こんにちは。もう三月になりましたが、遅ればせながらあけましておめでとうございます。年明けから、とんでもないことになっておりましたが、みなさまお元気でしょうか? わたしはいつもながら元気バリバリ。今年も全力で文章を書かせていただきたいとおもいます。なにとぞよろしくお願いいたします。 ということで、なにかたのしいはなしからはじめようとおもっていたのだが、そもそもたのしいってなんだろう。そうおもっていたら、ちょうどいい文章にでくわした。村澤真保呂、村澤和多里『中井久夫との対話

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    kiku72 2024/03/19
  • 名場面・名文句から読み解く、イギリス小説の傑作——ジェイン・オースティン『高慢と偏見』|本がひらく

    オースティン『高慢と偏見』、ブロンテ『嵐が丘』、イシグロ『日の名残り』――。名前は知っているあの傑作小説を、名場面の優れた英文と濃密な文法解説を通してじっくり精読。斎藤兆史氏(東京大学名誉教授)と髙橋和子氏(明星大学教授)の共著による『名場面の英語で味わう イギリス小説の傑作 英文読解力をみがく10講』は、英文の裏側にある意図にまで踏み込んで解釈することで、作品をより深く味わいながら質的な英文読解力をみがくことのできる一冊です。3月14 日に発売となる書の刊行を記念して、文の一部を特別公開します。*記事用に一部を編集しています。 【作家と作品】 イギリス小説の「偉大なる伝統」の中心に位置するオースティンの小説は、男女恋愛結婚に関する時代の価値観を色濃く反映しながらも、決して色あせることのない普遍的で豊かな人間模様を見せてくれます。いまだにドラマや映画の題材となる作家の最高傑作を

    名場面・名文句から読み解く、イギリス小説の傑作——ジェイン・オースティン『高慢と偏見』|本がひらく
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    kiku72 2024/03/05
  • 二郎系ラーメン店はなぜ増え続けるのか? 身近な例から楽しく経営学のエッセンスが学べる一冊|本がひらく

    二郎系ラーメンやフグ釣り漁船から、寺社のサイドビジネス、転売ヤー、そしてネットワークビジネスまで――。会議室の外で生まれる「野生のビジネス」を経営理論で読み解くことで、楽しく経営学のエッセンスが学べる新書、高橋勅徳さんの『アナーキー経営学』で発売になりました。 今回はその発売を記念し、書の「はじめに」を特別公開します。 ヘッダーイラスト:ヤギワタル アナーキー経営学をはじめます「養殖された経営理論」と「野生の経営感覚」 書店に行ってみると、ビジネス書は売り場の一角を占めるほどの人気ジャンルになっています。書棚に並ぶ書籍の著者を眺めてみると、同業(経営学)の先生方が名前を連ねていたりします。その内容も、経営者や管理職の方々への経営指南から、若いビジネスパーソンや学生に向けて充実した働き方を問う自己啓発書的なものまで多岐にわたっています。 大学講師の職を得て経営学者と名乗れる立場になり、それ

    二郎系ラーメン店はなぜ増え続けるのか? 身近な例から楽しく経営学のエッセンスが学べる一冊|本がひらく
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    kiku72 2024/02/16
  • 恋かもしれん。――「ことぱの観察 #10〔恋(後編)〕」向坂くじら|本がひらく

    詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。 恋(後編) かように恋に疎いわたしだが、一度、これは恋だろうかと思ったことがある。 通っていた大学のキャンパスには、建物の裏手に一の銀杏の木が立っていた。ふだん講義を受けたりサークル活動をしたりするときには通らない道を、さらに並木の中へ分け入ったところに、その木はある。わたしはときどきその木の足元で過ごした。落ち葉が土を覆っていて、地べたに座ってもそこまで服が汚れないところもいい。木の幹は太く、隆起していて、もたれるのにちょうどよかった。寒すぎも暑すぎもしない季節なら、根っこを枕に居眠りもできた。どこでも眠れるのが長所なのだ。 大学は、中高よりは居やすい場所だった。人づきあいの苦手なわたしにとって、人が多いぶんひと

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    kiku72 2024/02/15
  • ヨンアさん共感! 「もっと早くこの絵本に出会いたかった」――韓国で大反響の子育て奮闘絵本|本がひらく

    はじめての子育てに奮闘する「おかあさん」の姿や日常を、赤ちゃんの側から観察し図鑑ふうに紹介していく『おかあさん観察図鑑』。2021年に韓国で刊行され、大きな反響を呼んだユニークなつくりの絵が、NHK出版から発売になりました。今回、書を読み、帯に推薦コメントを寄せてくださった韓国出身のモデル・ヨンアさんに、絵の感想やご自身の子育てについて、お話をうかがいました。 ――ヨンアさんは7歳の息子さんのおかあさんとのこと。『おかあさん観察図鑑』を読んでどのような感想をもたれましたか? 共感ばかりの一冊でした。絵のなかのおかあさんと当時のわたしは完全に一緒です。 子どもが産まれてはじめの1年は、とにかく心配で、息子から一時も離れられませんでした。少しでも泣いたら「どうしよう!」と大騒ぎし、パニックになることも。お風呂に入るとき、小さな息子から目を離すのが不安だったので、浴室のドアの前にベビーベ

    ヨンアさん共感! 「もっと早くこの絵本に出会いたかった」――韓国で大反響の子育て奮闘絵本|本がひらく
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    kiku72 2024/02/14
  • 見てはいけない映画を見ること―—『ブルーフィルムの哲学』刊行イベントレポート①|本がひらく

    「ブルーフィルムって何?」「なぜ見てはいけない?」 ひそかに待望されていたNHKブックス『ブルーフィルムの哲学』が刊行されました。その発売を記念して開かれたイベントの抄録を掲載します。 参加メンバーは3人、著者で哲学者の吉川孝さん(甲南大学)と、恐るべき緻密さで映画を研究する木下千花さん(京都大学)、独自の視角で歴史学に新風を吹き込む河原梓水さん(福岡女子大学)です。 左から、吉川孝さん、木下千花さん、河原梓水さん イベントは発売当日、膨大なアーカイブを有する神戸映画資料館(神戸市長田区)にて、 安井喜雄館長・田中範子支配人のご協力をいただいて行われました。 ブルーフィルムに魅了された作家と映画人吉川:まず著者として、『ブルーフィルムの哲学 「見てはいけない映画」を見る』の内容を紹介します。「ブルーフィルム」はむき出しの性器や性行為を描く映画です。刑法第175条では、猥褻なものを「公的に陳

    見てはいけない映画を見ること―—『ブルーフィルムの哲学』刊行イベントレポート①|本がひらく
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    kiku72 2024/01/15
  • 斎藤幸平、マルクス・ガブリエルを語る!|本がひらく

    「新実在論」を掲げ世界を飛び回ってきた天才哲学者マルクス・ガブリエル。そんな彼が日社会を語り尽くした新書『マルクス・ガブリエル 日社会への問い 欲望の時代を哲学するⅢ』が刊行されました。 気候変動も絡んだネステッド・クライシス(=複合的な危機)の時代において、近代化で失われた大事なものを取り戻す方法、さらに日的特質を生かした「倫理資主義」への道筋を示す注目の一書。すでに日通となった天才ならではの視点が光ります。 稿では、現在最も注目を集めている経済思想家・斎藤幸平さんによる、書へのコメントを特別掲載します。 「西洋の知識人」としてのガブリエル 天才哲学者マルクス・ガブリエルのシリーズ。今回のテーマは、タイトルにもあるように、「日社会への問い」だ。ガブリエルが日滞在の印象を通じて、私たちの暮らす社会の問題を分析していく。 正直、書の問題設定の仕方に私はそれほど同意しない

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    kiku72 2024/01/01
  • いつ、どうやって切り替えるか――メンタルヘルス研究の世界的権威が語る「柔軟な脳」の作り方|本がひらく

    人は1つのことをする状態から、別のことをする状態に頭を切り替えることが難しく、そのつどエネルギーを消費しています。切り替えにかかる負荷は思わぬストレスになり、切り替えがうまくできなければ同じ間違いを繰り返してしまうのです。 一方で、機敏に思考や精神を切り替えることができれば、最高のパフォーマンスを発揮し、より軽やかに楽に生きることができます。では、いかにして「フレキシブルな脳」となるのでしょうか。『SWITCHCRAFT(スイッチクラフト)切り替える力――すばやく変化に気づき、最適に対応するための人生戦略』(NHK出版)を上梓した認知心理学者・神経科学者のエレーヌ・フォックス氏が、「切り替える力」を身につけるヒントを伝えます。 *インタビュー:長野 光 バナー写真© Mark Bassett ──「SWITCHCRAFT(スイッチクラフト)」とはどういうものなのでしょうか? エレーヌ・フォ

    いつ、どうやって切り替えるか――メンタルヘルス研究の世界的権威が語る「柔軟な脳」の作り方|本がひらく
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    kiku72 2023/11/30
    “日記を書くのはとても効果的です。誰かに読ませるために書かないのが重要な点です。”
  • スポーツの祭典の裏でうごめく外交問題――『総理になった男』中山七里/第16回|本がひらく

    「もしあなたが、突然総理になったら……」 そんなシミュレーションをもとにわかりやすく、面白く、そして熱く政治を描いた中山七里さんの人気小説『総理にされた男』待望の続編! ある日、現職の総理大臣の替え玉にさせられた、政治に無頓着な売れない舞台役者・加納慎策は、政界の常識にとらわれず純粋な思いと言動で国内外の難局を切り抜けてきた。選手たちの思いを胸に、熱いメッセージを伝えてオリンピック・パラリンピック開催の是非を問う国会答弁を乗り切った慎策。いよいよ開会式前日、各国の来賓たちとの会談に臨む慎策は、思わぬ相手に直面する―― *第1回から読む方はこちらです。 4 開会式前日であっても総理大臣の多忙さは平常時とさほど変わらない。違うとすれば面談する相手の顔ぶれだろう。 〇九:〇〇 午前中、赤坂の議員宿舎で風間と打ち合わせ。 一三:二〇 元赤坂の迎賓館に到着。 一三:四三 南スーダン副大統領と会談。

    スポーツの祭典の裏でうごめく外交問題――『総理になった男』中山七里/第16回|本がひらく
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    kiku72 2023/11/29
  • 困難な現実は人を成長させる――「不安を味方にして生きる」清水研 #12 [悲しみという感情の役割②]|本がひらく

    不安、悲しみ、怒り、絶望……。人生にはさまざまな困難が降りかかります。がん患者専門の精神科医として4000人以上の患者や家族と対話してきた清水研さんが、こころに不安や困難を感じているあらゆる人に向けて、抱えている問題を乗り越え、豊かに生きるためのヒントをお伝えします。 *第1回からお読みになる方はこちらです。 #12  悲しみという感情の役割② 前回では悲しみという感情の役割について説明しましたが、悲しんでいるとき、こころには一生懸命がんばっている面もあり、多くのエネルギーを消費します。そしてエネルギーが枯渇すると、うつになることもあります。 悲しみは燃えさかる草原の火事のようなもので、草木がすべて燃えてしまい、焼け野原になった状態がうつです。そうなると何もやる気が起きず、こころは一日中ふさぎ込み、他人からは行動も遅くなったように見えます。欲や睡眠などにも変調が生じます。このような状態が

    困難な現実は人を成長させる――「不安を味方にして生きる」清水研 #12 [悲しみという感情の役割②]|本がひらく
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    kiku72 2023/11/23
    “うつは長いトンネルのような非常に苦しい状況で、医療機関できちんと治療”
  • 追悼 マシュー・ペリー――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子|本がひらく

    ランチのアッコちゃん』『BUTTER』『マジカルグランマ』など、数々のヒット作でおなじみの小説家、柚木麻子さん。今月は、アメリカのドラマ「フレンズ」に出演していた俳優、マシュー・ペリーの訃報に触れて、考えたことです。 ※当記事は連載の第32回です。最初から読む方はこちらです。 #32 さようなら、チャンドラー 最近気づいたのだが、私は何かに順位をつけるのがとても苦手だ。年末になると、でも映画でも「今年のベスト1は?」という質問を受けるのだが、どうしても選べない。例えば、映画「バービー」は傑作だと思うが、個人的には「リトル・マーメイド」のことを語りたいという気持ちがある。文学賞の選考委員も二つやっているが、どの作品にも光るところがあり、何しろ専業作家ではないのにこの時代、生活しながら書き上げて応募したというだけで凄いので、順番をつけていいものか迷う。デビュー前、私はなかなかそこまで到達し

    追悼 マシュー・ペリー――料理と食を通して日常を考察するエッセイ「とりあえずお湯わかせ」柚木麻子|本がひらく
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    kiku72 2023/11/20
    “マンハッタンで暮らす仲良し男女六人の日常生活は、私の人生を決定づけた”
  • 『昭和ブギウギ 笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』輪島裕介さん×『落語に花咲く仏教』釈 徹宗さん対談―”大阪音曲巡礼”【後編】|本がひらく

    『昭和ブギウギ 笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』輪島裕介さん×『落語に花咲く仏教』釈 徹宗さん対談―”大阪音曲巡礼”【後編】 近世以来、庶民の娯楽や祈りのバックボーンを支えてきた大阪の音曲。「地」に根づいた音楽・笑い・語りの歴史と可能性について、『昭和ブギウギ 笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』を上梓した輪島裕介さんと、上方の芸能にも詳しい宗教学者の釈徹宗さんが縦横無尽に語りました。後編も、西洋と日音楽観の違いから始まり、日アイドルのあり方の特殊性や、後年の笠置シヅ子とロックスターのエピソード、大阪人のコミュニケーションまで話題は広がって……。 ■街に花咲く音楽輪島 釈先生が『落語に花咲く仏教』の中で、日の音曲は三層構造になっていると書かれていました。非常にメロディアスに音楽的に歌う部分と、言葉で語る部分と、最後の最後にある種の社交があって事が収まると。これは、なるほどと思いま

    『昭和ブギウギ 笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』輪島裕介さん×『落語に花咲く仏教』釈 徹宗さん対談―”大阪音曲巡礼”【後編】|本がひらく
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    kiku72 2023/11/16
    “昭和ブギウギ 笠置シヅ子と服部良一のリズム音曲』を上梓した輪島裕介さんと、上方の芸能にも詳しい宗教学者の釈徹宗さん”
  • このメイクは、侮りそのものではなかろうか。――「ことぱの観察 #03〔敬意とあなどり〕」向坂くじら|本がひらく

    詩人として、国語専門塾の代表として、数々の活動で注目をあびる向坂くじらさん。この連載では、自身の考える言葉の定義を「ことぱ」と名付け、さまざまな「ことぱ」を観察していきます。 敬意とあなどり 誰かに敬意を払うためにはどうしたらいいのか、ということで、よく悩まされている。たとえば、お金を払ったり、もらったりするとき。わたしの場合はフリーランスなので、ふだん仕事以外でも親交のある人からその日だけギャランティーをいただく、ということがたびたびあるし、その逆もある。そういうとき、なにか指先がぴりっと緊張する。もちろんなるべく失礼な態度はとりたくないけれど、しかしあまりそこでかしこまりすぎると、今度は逆にお金のからまない関係性のほうを蔑ろにしていることになりそうで、落ち着かない。どちらにも適切な立ち位置がないように感じられる。結局、そこだけ急にもの静かになり、叱られているときのようにお金をやりとりし

    このメイクは、侮りそのものではなかろうか。――「ことぱの観察 #03〔敬意とあなどり〕」向坂くじら|本がひらく
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    kiku72 2023/11/09
  • 自分と相手の境界線を引く――#4ローレン・グロフ『優美な食用の鳥たち』(3)|本がひらく

    9作の短篇を収録した 『優美な用の鳥たち』。「幸運の幅広ビーフン」に続き、都甲幸治さんが特にすごいと感じた作品は「ブライズ」。これは主人公が出会い、友人となる女性の名前です。対照的な二人の女性の人生を、ローレン・グロフはどのように描くのでしょうか? 対照的な二人の出会い――「ブライズ」 さて、もう一つ短篇を読んでみよう。他には特に “Blythe”「ブライズ」がすごかった。主人公は弁護士の女性で、だが結婚と同時に仕事を辞めている。暇を持て余した彼女は、大学の詩の授業に参加することにした。そこで主人公はブライズと出会う。彼女もまた結婚し、モデルの仕事を辞めていた。そしてずっと興味があった詩を書いてみようと思い、この授業に参加したのだ。 シックな服を着こなし、華やかな見た目で家柄もいいブライズに対して、ラトビア移民の子孫である主人公は地味だ。だが、この対照的な二人はなぜか気が合い、常に一緒に

    自分と相手の境界線を引く――#4ローレン・グロフ『優美な食用の鳥たち』(3)|本がひらく
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    kiku72 2023/10/12