現行の健康保険証は12月2日から新規発行されなくなる。マイナンバーカードに保険証機能を持たせたマイナ保険証への一本化を図る政府方針ゆえだ。 本紙を含む全国18地方紙が8月に行った合同アンケートで、回答者1万2千人余の8割以上が今の保険証を残すことを求めた。 政府が5月に実施したパブリックコメントにも、ひと月足らずで5万3千件超が寄せられ、その多くがマイナカードへの懸念を訴える意見だった。 なぜ一本化に反対する声が強いのか。さまざま理由はあるが、中でも懸念されるのは、マイナ保険証を持っていない人が、保険診療を受けられなくなる恐れがある点だ。マイナ保険証を持つこと自体が困難な人も少なくない。合同アンケートでも「認知症の親はマイナカードを作れません」という切実な声が寄せられた。 カードの取得も、マイナ保険証の登録も、任意である。政府はこの原点に立ち返り、今の保険証を残す道を早急に探るべきだ。 そ