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ブックマーク / satotarokarinona.blog.fc2.com (20)

  • 『オリエンタリズム』再訪 親イスラエルのメカニズム、差別と帝国主義 | 荒野に向かって、吼えない…

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    kiku72 2024/07/28
  • 『エルヴィス・コステロ自伝』 | 荒野に向かって、吼えない…

    『エルヴィス・コステロ自伝』 『ボブ・ディラン自伝』に影響されてなのか、時系列をバラして語るミュージシャンの自伝は多い(こちらの勝手な思い込みで『ボブ・ディラン自伝』以前からそういう傾向があったのか、『ボブ・ディラン自伝』以降も別に増えてはいないのか、時間のある人は誰か調べてみてほしい)。このエルヴィス・コステロの自伝もその一つであり、この手法を取るミュージシャンの自伝の多くがあまりうまくいってないように、書も「文学的」には優れたものとは言い兼ねるというのが正直なところであった。 当人としては何らかの意図を持ってこの構成としたのだろうがその意図がこちらには伝わって来ず、様々なエピソードが断片化されあちこちに散らばってしまっているような印象であった。また多くの章がまず初めにとあるエピソードを披露しその後で別のエピソードへと展開していくという形になっているのだが、下手な人が運転するマニュアル

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    kiku72 2021/11/06
    このレビューの通り、時系列じゃないのは読みづらいけど、いまコステロの自伝を読む人はそんなの気にしないでしょ、の興味深いエピソードの連続だった。ミュージシャンの父親の存在がそんなに大きいのかという驚き
  • 『CSNY クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの真実』 | 荒野に向かって、吼えない…

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    kiku72 2021/01/26
    “ピーター・ドゲット著 『CSNY クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングの真実』”
  • 安倍政権の合理と不合理 | 荒野に向かって、吼えない…

    4月11日現在、日で確認されている新型コロナウィルスの感染者はあくまで氷山の一角にすぎないのは確実だが、一方ですでに数十万人規模で感染が広がっているとすればごまかしようもないのであろうから、現時点ではそこまでは感染は拡大していないといったあたりなのだろう。 深刻なのは、では日でいったいどれほど感染が広がっているのかを、科学的根拠をもって推計することさえできないことだ。一万に近い数万なのか、十万に近い数万なのか、それ以下なのか以上なのか、ただ勘に頼るほかないのである。 日政府の対応はOECD諸国の中では最低レベルと言い切って構わないであろうが、にも関わらず謎の理由によって日での感染拡大のスピードは遅いのも間違いないだろう。そして日政府は、この状況を活かすどころか、わざわざドブに捨て続けている。 布マスクを1世帯に2枚配布するという愚策に顕著なように、安倍政権の対応は単に動きが鈍いと

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    kiku72 2020/04/12
  • 『めぐりあいし人びと』 | 荒野に向かって、吼えない…

    堀田善衞著 『めぐりあいし人びと』 1991年から92年にかけて、編集者として長い付き合いのあった橋進と京谷秀夫、そして集英社の若い社員を相手に語ったもので、自伝的内容に加えてタイトルにあるように堀田が出会った様々な人についての話が聞ける。かっちりとした自伝ではないが、口述筆記とあいまってその分だけ堀田になじみがない人にはまずその人となりを知るにはいいかもしれない。 堀田の実家は廻船問屋であった。後に富山県議会の議長も務めることになる「親父は、慶応大学で小泉信三と同級生で、その縁で、私がのちに慶應に入る際の保証人が小泉信三でした。そのころ彼は、自分が保証人になった学生を月に一度ずつ私邸に集めていたんですが、私は一度行ったきりで、そこでのおべっか使い的な雰囲気が嫌になる、二度と行きませんでした」。 「親父と小泉信三のエピソードを一つだけ紹介すると、戦時中小泉さんは、土決戦も辞せずというも

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    kiku72 2020/01/23
  • MONKEY vol.11 | 荒野に向かって、吼えない…

    MONKEY vol.11 特集は「ともだちがいない!」。 チャールズ・ブコウスキーの短篇と詩が収録されているが、「ブコウスキーの作品は案外スラングが少ない。なぜか。スラングは仲間内の通り言葉である。ブコウスキーには仲間、友だちがいない。ゆえに彼の(自伝的)作品にはスラングが少ない――この思考の連鎖から特集「ともだちがいない!」が生まれ」た。 柴田元幸さんはブコウスキーをビート・ジェネレーションの一部のように扱われることに違和感があったそうだが、それは「ブコウスキーはともだち0、ビートはともだちたくさん集団、という違いが大きいと思うから」で、確かにブコウスキーをどこかに括るというのは似合わないかもしれない。 柴田さんは未だにスマホはおろか携帯すら持っておらず、「携帯なしでどうやって生きられるのか?」と訊かれることがあるそうだ。これに「ともだちがいないから、必要ないんだよ」と冗談半分に答えて

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    kiku72 2017/03/28
  • 『GIRL IN A BAND  キム・ゴードン自伝』 | 荒野に向かって、吼えない…

    キム・ゴードン著 『GIRL IN A BAND  キム・ゴードン自伝』 2011年10月、キム・ゴードンとサーストン・ムーアの離婚が公表された。仲のいい夫婦というイメージのみならず、ミュージシャン同士のカップルという枠を越えて、ある種の象徴のように仰ぎ見ていた人にとってはかなりの衝撃を受けた出来事であったろう。 書には「サロン」に載った、「まさかキム・ゴードンとサーストン・ムーアが離婚するなんて」という記事が引用されている(これかな)。この記事に「彼らが私たちとは違うなんてことがあるだろうか」とある。 キムはこう書いている。「いい質問だ。私たちは違っていなかったし、そこで起こったことはといえば、おそらく史上最高によくある話だった」。 キムといえばまず浮かぶイメージが「クール」だろう。クールという言葉がこれほど似合う女性はそうはいない。しかしこれはキムの真の姿であったのだろうか。 「超然

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    kiku72 2015/12/04
    長文レビューだけど長文書きたくなる本なんだよー。特にキム・ゴードンの兄のエピソードは強い印象が残る
  • リチャード・ヘル自伝 | 荒野に向かって、吼えない…

    リチャード・ヘル著 I Dreamed I Was a Very Clean Tramp I Dreamed I Was a Very Clean Tramp: An Autobiography ペーパーバック ニューヨーク・パンクの最重要人物の一人、リチャード・ヘルの自伝。生い立ちから80年代半ばまでが比較的オーソドックスに綴られている。ヘルのキャリアやテレヴィジョン、パンクに興味がある人はもちろんだが、70年代のニューヨークを中心とした芸術家志望のボヘミアン的生活の記録としても面白く読めるだろう。 (邦訳が出るのは厳しいかなあということで手に取ったが、いい加減に読んだところもあるので以下間違ってたらごめんなさい) 後にリチャード・ヘルを名乗るリチャード・マイヤーズは1949年、ケンタッキー州レキシントンで生まれた。両親はコロンビア大学で出会い、父は博士号を取ってケンタッキー大学で教鞭を

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    kiku72 2015/10/08
    “リチャード・ヘル著 I Dreamed I Was a Very Clean Tramp”の内容紹介。未翻訳なのでありがたい
  • 『九月、東京の路上で  1923年関東大震災 ジェノサイドの残響』 | 荒野に向かって、吼えない…

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    kiku72 2015/09/01
  • パティ・スミスと村上春樹 | 荒野に向かって、吼えない…

    村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の英訳が出るということで、ニューヨーク・タイムズにはパティ・スミスが書評を書いている(Deep Chords: Haruki Murakami’s ‘Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage’) へぇっと思ってしまったのはこの箇所。 On a first reading, “Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage” seems kin to Murakami’s more minimalist novels “Sputnik Sweetheart” or “Norwegian Wood,” but it does not really fall into that category. Nor is it wr

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    kiku72 2014/08/07
    “色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の英訳が出るということで、ニューヨーク・タイムズにはパティ・スミスが書評を書いている”
  • 村上春樹の批評的翻訳 | 荒野に向かって、吼えない…

    サリンジャーの意向によって「訳者あとがき」等を収録することができないため、『フラニーとズーイ』について村上春樹は新潮社のサイトで「特別エッセイ」を公開している(こちら)。なお文庫を手にできたが、これは小冊子の形で挟まれていた。こちらはやや短くされており、ネットにあげられている方が全文となっている。 さて、このエッセイは村上春樹のファンにとっては思わずにんまりとしてしまう部分が多い。例えばこの箇所。 「僕はこの『ズーイ』部分の文章的圧倒性は、『キャッチャー』のあのわくわくする新鮮な文体にじゅうぶん匹敵する力を持ったものであると思っている。『キャッチャー』の文体ももちろん魅力的でパワフルだが、これは最初から最後まで一人称のヴォイスで語られており、小説的技巧としてはよりシンプルだ。しかし『ズーイ』はストイックなまでに三人称で書かれている。そこに『ズーイ』の小説的面白さがあるし、サリンジャーの作

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    kiku72 2014/02/28
  • conscience of a liberal  | 荒野に向かって、吼えない…

    2月1日の朝日新聞の朝刊に「富裕層の被害妄想」というポール・クルーグマンのコラムの翻訳が掲載されている(Paranoia of the Plutocratsの原文はこちら)。 クルーグマンは「不平等の拡大」は「生産性が向上しても賃金が停滞し、負債が増大して金融危機に弱くなる」だけではなく、「健康の悪化や死亡率上昇につながることを示す有力な証拠がある」と始める。クルーグマンはここから話を進め、「1%」の富裕層に対する世論の批判を嘆く億万長者が、これを「ナチスのユダヤ人攻撃になぞらえ」、「水晶の夜」に私たちは向かっているのだとした投書がウォール・ストリート・ジャーナルに掲載されたことにあきれつつ、こういった人間は「それほど異常な存在でもないのだ」としている。このような「被害妄想と誇大妄想を併せもった政治的・経済的見解を抱き、声高に表明」している大富豪は数多くいる。ウォール街の関係者は、オバマが

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    kiku72 2014/02/03
    “労働問題を含む数々の右派的な政策を「擁護」をしないまでも、「大目」に見ることによって、「リベラル(中道左派)」な政治観を持つ人から不信を買っている”
  • 『パンチ・ザ・クロック』から30年 | 荒野に向かって、吼えない…

    だからどうなんだと言われればそれまでだけど、ふと気づいたのだけれどエルヴィス・コステロの『パンチ・ザ・クロック』って2030年前のちょうど今頃に発売されていたのですね(追記:1983年の発売なので30年前ですよね。なんでこんな間違いしたのやら)。 時恰もサッチャー政権に「フォークランド紛争」ということで、「シップビルディング」のようなストレートな反戦歌やサッチャー批判もある。 コステロはライナーノーツで当時についてこう書いている。「1979年から1983年にかけて奇妙なことが起きた。イギリス政府はそれまでの、税金を間違ったことに使う人をイラつかせる悪評まみれの組織から、自分たちの目的に奉仕しなかったり資することのないような人のこと嘲る、敵対的な政体へと変貌した」。 そして「フォークランド紛争」についてはこう書く。「これが「戦争」と呼ばれたことなんてなかったんだ。常に「フォークランド危機」と

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    kiku72 2013/07/29
    邦題「コステロ音頭」が収録されてるアルバムについての良いエントリ。ただ、リリースは30年前
  • 寺田寅彦の映画論 | 荒野に向かって、吼えない…

    寺田寅彦全集第八巻には寺田の絵画論と共に映画論、映画批評が収められている。面白かったところをいくつか書き出してみる。 まずは『思想』(昭和五年九月)、「映画時代」から。 当を云えば映画では筋は少しも重要なものでない。人々が見ているものは実は筋でなくしてシーンであり、あるいはむしろシーンからシーンへの推移の呼吸である。この事を多くの観客は自覚しないで、そうしてただつまらない話のつながりをたどることの興味に浸っているように思っているのではあるまいか。アメリカ喜劇のナンセンスが大衆に受ける一つの理由は、つまりここにあるのではないか、有名な小説や劇を仕組んだものが案外に失敗しがちな理由も一つはここにあるのではないかと思う。/連句には普通の言葉で云い表せるような筋は通っていないが、音楽的にはちゃんと筋道が通っており、三十六句は渾然たる楽章を成している。そういう意味での筋の通った連句的な映画を見せて

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    kiku72 2013/06/02
    1930年に書かれた立体映画予言。立体写真(フリッパーズの初回限定盤についてたやつ)は戦前からあったような。
  • 『貧乏人の経済学』 | 荒野に向かって、吼えない…

    A・V・バナジー & E・デュフロ著 『貧乏人の経済学書で扱われるのは先進国での貧困や格差ではなく、最貧国やインドのような途上国における貧困ライン以下での暮らしを強いられている人々である。とりあえずは開発経済学の一般向けのとすることができるだろう。 書において検討される大きな考え方は二つある。一つは一気に巨額の援助をして貧困状態から引き上げねばならないというジェフリー・サックスに代表される立場。もう一つがめったやたらと援助したところで市場などの環境が整っていなければ意味がないどころか有害ですらあるというウィリアム・イースタリーに代表される立場である。著者たちは双方の考えに一理あることを認めているが、言葉を変えれば一理しかないということでもある。 サックスにしろイースタリーにしろ机の上で数式のみと格闘してこのような考えにいたったのではない。両者ともに具体的な援助の現場(とその失敗例

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    kiku72 2013/04/12
    読んでみたい
  • 村上春樹、メイドカフェに行く | 荒野に向かって、吼えない…

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    kiku72 2013/03/13
    2011年に出版されたポール・セローの旅行記に書かれてる村上春樹とポール・セローがメイドカフェに行った時のエピソード
  • 94年の宮崎駿インタビュー | 荒野に向かって、吼えない…

    稲葉振一郎著、『ナウシカ読解 ユートピアの臨海』を読んだけど、感想はちと手に余るのでパス。とりあえず漫画版ナウシカすげ~な~という感じです。実は漫画版ナウシカは読もうと思ってから幾年たったかわからないけど、まだ読んではいないのですが。 巻末に1994年に行われた宮崎駿へのロングインタビューが収録されている(聞き手は稲葉、加藤秀一、西山俊一の三氏)。自分用のメモを兼ねて、すでに絶版のということで長めに引用してみる。 たとえば、<トトロ>みたいな世界は一瞬のユートピアだと思って作っているんです。小さな子供たちにとっては、まわりのことはわからないから、つまり、父親がどういう経済状態にあるかとか、どういう精神状態にいるとか、日全体の政治的動向はとか、経済状況とか、そういうことがわからないから、自分の一日のなかの一瞬のなかでも充足感を味わうことができる。そういうふうに作ったのが<トトロ>だと思っ

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    kiku72 2012/08/10
  • だから嫌い! | 荒野に向かって、吼えない…

    新聞見てたら「社会保障と税の一体改革について」なる財務省広報ならぬ政府広報が載っていた(どっちでも同じようなものだけど)。 内容的には例のごとくで、とにかく消費税上げたい上げたい上げた~い!の連呼という感じ。 これに対する反論としては毎度同じことの繰り返しになるけど、長期に渡る不況、しかもデフレという異常事態(なんか異常が常態化してしまっているが)、そしてさらに大震災という状況下で増税なんぞすれば経済状況がどうなり、その結果税収がどうなるかというのを消費増税派の人たちは考えてみたことがあるのだろうか。 野田佳彦がどういう政治家かというのは財務大臣時代にすでにわかりきっていたわけで、こんなのを首相にした民主党議員の罪はほんとに重い。まぁ野党第一党の自民党の同じく財務大臣経験者の谷垣も似たようなものなので当に不毛なことになっているのでありますが。 それにしてもこれを読んでみて、これは改めて野

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    kiku72 2011/12/04
    野田総理批判。うなずけるところ多い>「<分厚い中間層>のいる国」を「もう一度作りたい」とか言ってるんですけど、そんな政策を一つでも提唱したのでしょうか。
  • 『ジョージ・ハリスン /リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』 | 荒野に向かって、吼えない…

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    kiku72 2011/12/02
  • 衣食足りて礼節を知る | 荒野に向かって、吼えない…

    大阪市長・府知事選挙についてはすでにいろいろな人がいろいろなことを語っているので今さらという感じですが。 まず橋下徹については石原慎太郎、小泉純一郎に連なる系譜の政治家ということでいいだろう。 どのような系譜かといえば、それは体制内に身を置きながらあたかも反体制であるかのような印象を与え、それを求心力とするという点である。 石原は自民党の有力議員から都知事へというエスタブリッシュメントのド真ん中を歩んだ政治人生であるし、「自民党をぶっ壊す」と言って自民党総裁選に打って出た小泉については言うまでもないだろう。。両者とも自民党内では傍流だったかもしれないが、共に大臣まで努めているのだからあくまでそれは比較の問題である。 橋下は今回は既成政党を向こうに廻した形となったが、そもそもは当時政権与党であった自公が担いだのであり、一時は民主にも擦り寄っていた。 石原慎太郎は何もここ十数年で突如湧いて出て

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    kiku72 2011/12/02
    >政策の是非以前に、あのような下品極まる人間が首長に収まることを許容するなどということは「礼節を知る」人間にはとてもじゃないが耐えられることではないだろう。
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