今から約42年前の1982年7月25日に発売予定も、諸事情から「お蔵入り」となっていた一枚の音楽アルバムがありました。その名は、シンガーソングライター・作曲家の滝沢洋一(たきざわ・よういち 1950-2006)が制作した幻の2ndアルバム『BOY』(ボーイ)。40年以上の長きにわたって封印されていたこのアルバムが今年12月18日(水)、CDとアナログレコード盤の2種類で悲願の世界初リリースの日を迎えます。 しかし、この“お蔵入りの悲劇”は、決して不幸なことばかりではありませんでした。数奇な運命を辿った「奇跡のシティポップアルバム」と、収録曲「かぎりなき夏」が令和の時代に発見されるまでの「軌跡」を初公開します。 プロローグ 母が買ってきた「一本のカセットテープ」 それは1982年のこと。 私が小学1年生になったばかりのある日、母が近所の商店街にあった老夫婦の営むレコード店「ハープ」から一本の