アラブ連盟が、意外な動きをしている。 リビアで反カッザーフィ・デモが始まると、わずか数日後には政権の暴力的鎮圧を非難、リビアの連盟資格停止を決めたばかりか、NATOの軍事介入もすんなり容認した。 空気を読まないカッザーフィが以前からアラブ連盟で「浮いた」存在だったせいもあって、こうしたリビアに対する対応になったのだろうが、続くシリアへの対応を見れば、その意外さが続いていることがわかる。8月にはシリアでのデモ隊鎮圧を非難する決議が出され、11月には資格の停止と対シリア制裁が決定された。 なぜそれらの動きが「意外」かといえば、1950年代以降長らくアラブ連盟は、シリアやリビアなど、アラブ民族主義を起源に持つ共和制諸国によって主導されてきたからである。1979年、イスラエルとの単独和平に走って連盟を追放されたエジプトのように、アラブ民族主義の大義から離れたことで非難されることはあったが、今そのア
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