国立国会図書館は2002年,「近代デジタルライブラリー」を公開し,デジタル化した図書のインターネットでの提供を開始した。以後,所蔵資料のデジタル化,デジタル化された他機関所蔵資料の収集等を継続的に実施するとともに,2013年からはインターネットで公開されている「電子書籍・電子雑誌」の収集も行っている。これら多種多様な資料の収集・保存・提供は現在,2011年に公開した「国立国会図書館デジタルコレクション」が担っている。本稿では,「近代デジタルライブラリー」から「国立国会図書館デジタルコレクション」へ至る開発の経緯を述べるとともに,OAIS参照モデルの機能要件の観点から,「国立国会図書館デジタルコレクション」における長期保存の現状および課題について説明する。