26年前の手術で医師が体内にガーゼを置き忘れ腫瘤(しゅりゅう)ができたとして、札幌市の女性(67)が同市の産科婦人科小児科病院に対し、約350万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こしたことがわかった。 15日に第1回口頭弁論が開かれた。 訴えによると、女性は同病院で子宮筋腫と診断され、1984年11月に子宮摘出手術を受けた。 昨年、下腹部にしこりを感じ、別の病院で受診したところ、「卵巣がんの疑いがある」と診断され、同年11月に手術を受けた。開腹し、卵巣付近にあった10センチ大の腫瘤を切除したところ、腫瘤の中から古いガーゼが見つかったという。 女性側は「ガーゼを置き忘れた病院の執刀医や立ち会ったスタッフに注意義務違反があった。卵巣がんの告知を受けた上に、ガーゼ摘出の際に卵巣と卵管なども切除せざるを得なくなり、多大な精神的苦痛を受けた」としている。