全仏オープン1回戦を勝ち、記者会見を拒否し、以後の試合を棄権した大坂なおみ選手のツイート(英文)は世界に大きな衝撃を与えた。それには、こう書かれていた。 I have suffered long bouts of depression since the US Open in 2018 「2018年の全米オープン(で優勝して)以後、長い間の“depression”に悩んでいた」と告白したのである。 この“depression”(デプレッション)という表現を、国内メディアはいくつかの異なる訳語で紹介した。うつ病、うつ、うつ状態、が主であった。この3種類は、意味や受けるイメージが相当に違う。「うつ病」といえば、精神科など医療機関で治療を要する状態と受け取れるし、「うつ」や「うつ状態」はそれよりはもっと軽いもの、生活の中で時には誰もが経験する悩みやプレッシャーという程度とも考えられる。訳語の違い