タグ

ブックマーク / movie.maeda-y.com (43)

  • 超映画批評『リンガー! 替え玉★選手権』85点(100点満点中)

    『リンガー! 替え玉★選手権』85点(100点満点中) The Ringer 2007年4月21日より、シアターN渋谷にて過激にロードショー! 2005年/アメリカ/95分/配給:20世紀フォックス映画 明るい障がい者映画 『リンガー! 替え玉★選手権』は、五輪に合わせて開催される、知的障がい者たちによるスポーツの祭典「スペシャルオリンピックス」を題材にした映画だ。 ……といっても、いま皆さんが想像したものと作は、恐らく大幅に異なるであろう。この映画は、一歩間違えばおそろしく不謹慎で失礼千万な、危険極まりないタブーすれすれを突っ走る作品である。 主人公の好青年(ジョニー・ノックスヴィル)は、自分の責任で友人が大怪我をしてしまい、莫大な治療費を何とか工面したいと思っている。そこで叔父に相談するが、ギャンブルで借金まみれのどうしようもないダメ男なので頼りにならない。それどころか、「スペシャル

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/04/20
    明るい障がい者映画
  • 超映画批評『ロッキー・ザ・ファイナル』70点(100点満点中)

    『ロッキー・ザ・ファイナル』70点(100点満点中) Rocky Balboa 2007年4月20日 TOHOシネマズ木他全国ロードショー 2006年/アメリカ/103分/配給:20世紀フォックス スタローンが命をかけて作った一 おそらく30代以上の男性にとって、ビル・コンティ作曲によるこのシリーズのテーマ曲『Gonna Fly Now』ほど心を奮い立たせるメロディはないだろう。あれが流れ、画面に巨大な「ROCKY」の文字がスクロールすれば、もはやそれだけで感無量、というほどほれ込んだファンも少なくない。 そんなロッキーシリーズもいよいよこれで大団円。前作パート5もそううたってはいたが、このシリーズを生み出したシルベスター・スタローン自身が「あれは失敗作、だからこれを作った」と語るとおり、さすがにこれ以降はなさそうだ。 ボクシングを引退したロッキー(シルベスター・スタローン)は、愛

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/04/20
    スタローンが命をかけて作った一本
  • 超映画批評『明日、君がいない』97点(100点満点中)

    『明日、君がいない』97点(100点満点中) 2:37 2007年4月21日、渋谷アミューズCQNにてロードショー 2006年/オーストラリア/99min./配給:シネカノン ほかのどんな巨匠にも作れない映画を目指した点が立派だ この職業をやっていると、毎日各社から膨大な数の試写状が届く。ためしに今手元にあるのを数えてみたら40枚以上あった。非常に残念だが、物理的な時間不足によりそのすべてを見ることは出来ない。やむなくスケジュールに合う中から、何か気になる作品を選ぶことになる。 私が『明日、君がいない』の試写会に行こうと思い立った最大の理由は、この映画の監督ムラーリ・K・タルリは、なんとこの映画を19歳のときに作り始めたという一点にあった。しかも、カンヌ国際映画祭で好評だったという。アカデミー賞よりカンヌの評価に共感する事が多い私としては、どうしてもこの作品を見ておきたかった。 舞台は現代

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/04/20
    大激賞!
  • 超映画批評チケットショップ お買い物ガイド

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/04/02
    送料無料でも振込み手数料かかったりするが・・・まぁ新生銀行から振り込めば大丈夫だな。
  • 超映画批評『デジャヴ』85点(100点満点中)

    『デジャヴ』85点(100点満点中) Deja Vu 2007年3月17日(土)より全国超拡大ロードショー 2006年/アメリカ/2時間8分/配給:ブエナ・ビスタ・インターナショナルジャパン ハイテク衛星システムの運用にローテクが必要という面白さ デジャヴとは、「一度も経験したことのないことが、いつかどこかですでに経験したことであるかのように感じられること」(三省堂・大辞林)という意味だが、実際のところ作の内容とそれはほとんど関係がない。 ではどんな映画かというと、一歩間違うと重大なネタバレにかかわるのでなかなか説明が難しい。間違っても言ってはいけない"ある一言"が、感想を投稿するサイトなどではフツーに書かれてしまっており思わず目を覆いたくなるが、一応マスコミ関係者には「ここから先のストーリーは絶対書かないでね」と通達が出ている。私も確かにそれは必要だと思う、そんな映画である。 海軍関係

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/03/11
    ハイテク衛星システムの運用にローテクが必要という面白さ
  • 超映画批評『秒速5センチメートル』85点(100点満点中)

    『秒速5センチメートル』85点(100点満点中) 2007年3月3日よりシネマライズにて公開 2007年/日/60分/配給:コミックス・ウェーブ 山崎まさよしの主題歌の歌詞を笑えない人に 『秒速5センチメートル』は、一言で言うとアニメ版『時をかける少女』を気に入った人なら、まず間違いなく満足する映画だ。 内容は、一人の少女を思い続けた男の十数年間を三話構成で綴った連作短編もので、上映時間は60分間。第一話は主人公の貴樹(声:水橋研二)と明里(声:近藤好美)の小学生時代から始まる。 舞台は東京の小学校。転校を繰り返してきた二人は、互いの境遇の類似からやがて特別な思いを寄せ合うようになる。明里が栃木の中学校に入ってからも仲良しのまま文通を続けていたが、1学期の終わりに貴樹の鹿児島への転校が決まる。貴樹は最後に明里に会うため、栃木県の小山の先まで向かうが、彼の乗るJR宇都宮線は記録的な豪雪に見

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/02/26
    山崎まさよしの主題歌の歌詞を笑えない人に
  • 超映画批評『蒼き狼 地果て海尽きるまで』30点(100点満点中)

    『蒼き狼 地果て海尽きるまで』30点(100点満点中) 2007年3月3日(土)より全国超拡大ロードショー 2007年/日・モンゴル/2時間16分/配給:松竹 無茶な方向へ突っ走った 一定以上の年齢の映画ファンにとって、「角川映画」というワードは特別に響くものだろう。それは、薬師丸ひろ子や原田知世など映画中心に活躍する女優を育てたり、今で言うメディアミックス戦略により挑戦的な企画を連発したりと、日映画史に大きな功績を残した事で知られている。 とくに、映画単独で採算を取れなくても書籍その他関連商品でペイできれば良しとするその戦略は、邦画の枠を超えた大作の製作を可能とし、数々の娯楽映画の傑作(および珍作)を生み出した。オールモンゴルロケという贅沢なドラマ『蒼き狼 地果て海尽きるまで』は、そんな往年の「角川映画」らしさを持つ一品といえる。 ときは12世紀、モンゴル。主人公テムジンが14歳の

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/02/26
    無茶な方向へ突っ走った
  • 超映画批評『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』90点(100点満点中)

    『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』90点(100点満点中) 2007年2月10日、日劇PLEXほか 2007年/日/配給:東宝 楽しめる層はかなり限定されるが、当てはまれば敵なしの面白さ この映画は「期待せずに見たら大当たり」という典型例のような作品であった。 とうとう破綻のときを迎えた日経済を救うため、ある 財務官僚(阿部寛)はタイムマシンでその発明者(薬師丸ひろ子)を1990年に送り込むことを決めた。バブル崩壊の引き金となった大蔵省通達、いわゆる総量規制を止めるためだ──というあらすじ自体は、なかなか面白そうと思ったものの、日立製作所とのタイアップによる「ドラム型洗濯機タイプのタイムマシン」などというバカげた設定をみて、どうせろくでもないバカ映画だろうと、高をくくっていたのだ。 むろん、上記ストーリーから一瞬連想するような社会派SF、すなわち経済問題等を過去からシミュレー

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/02/06
    楽しめる層はかなり限定されるが、当てはまれば敵なしの面白さ
  • 超映画批評『守護神』80点(100点満点中)

    『守護神』80点(100点満点中) The Guardian 2007年2月10日、日劇1他全国ロードショー 2006年/アメリカ/139分/配給:ブエナビスタインターナショナル(ジャパン) 主演二人のどちらかのファン向け 日で大ヒットした『海猿』がハリウッドでリメイクされるという話をどこかで聞いて、それが頭の片隅にあったので、『守護神』のあらすじを聞いたときは「ああ、これがそうか」とずっと思っていた。……が、どうやらそれは違うらしい。沿岸警備隊の鬼教官に鍛えられる若き訓練生の訓練風景を主に描き、救命士としてデビューしたとたん、恐るべき難題に対峙するクライマックス。マジンガーZとテコンV程度のかすかな類似性は見受けられるものの、一応別物ということのようだ。 もう少し詳しく筋書きを書くと、ケヴィン・コスナー演じるこの教官は、これまで数百名を救ったと噂される伝説のレスキュー隊員。ところがある

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/02/06
    主演二人のどちらかのファン向け
  • 超映画批評『Gガール 破壊的な彼女』75点(100点満点中)

    『Gガール 破壊的な彼女』75点(100点満点中) My Super Ex-girlfriend 2007年2月10日(土)、日比谷みゆき座他全国ロードショー 2006年/アメリカ/95分/配給:20世紀フォックス ユマ・サーマン36歳のアイドル映画 この映画の魅力を知ってもらうにはどこかで予告編を見てもらうのが手っ取り早いのだろうが、残念ながら編の面白いところをほとんど出してしまっているので、先に見るのはよしたほうがいい。予告編を事前に見るなとは矛盾もいいところだが、映画体をより楽しむためには仕方がない。 いまニューヨークには、あらゆる事故、事件から市民を守る謎のスーパーヒーロー、いやヒロインがいる。Gガールと呼ばれる彼女(ユマ・サーマン)は、長身にブロンドヘアをなびかせ、音速並の速さでどこかから飛んでくる。そして無敵のパワーですべてを解決してしまうのだ。そんなGガールも普段は地味な

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/02/06
    ユマ・サーマン36歳のアイドル映画
  • 超映画批評『愛の流刑地』40点(100点満点中)

    『愛の流刑地』40点(100点満点中) 2007年1月13日、日劇PLEXほかにてロードショー 2007年/日 配給:東宝 演技達者の二人に不満は感じないが、なにか物足りない 日経新聞朝刊に連載された渡辺淳一の同名小説は、朝から下半身を元気にさせてくれる描写が満載で、オジサマたちの間でひそかに話題となっていた。やがてそのブームは映画界にも飛び火し、このたびめでたく一級の役者をそろえて映像化されることになった。それがこの「愛の流刑地」、通称愛ルケである。 かつてベストセラーを書いた作家(豊川悦司)が、人(寺島しのぶ)を殺したとして逮捕された。二人は愛人関係で、しかも交わっている最中に扼殺したという。男は彼女が「殺してくれ」と懇願したと主張、愛しているからこその行為だったと語る。二人の関係と真相を探る女検事(長谷川京子)は、不可解な男の主張にやがて説得力を感じ始める。 愛し合っていながらな

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/01/30
    演技達者の二人に不満は感じないが、なにか物足りない
  • 超映画批評『どろろ』45点(100点満点中)

    『どろろ』45点(100点満点中) 2007年1月27日有楽座ほか 2007年/日/配給:東宝 VFX夫木聡と柴咲コウを見る映画、ではあるが 「どろろ」は根強いファンを持つ手塚治虫の同名原作を、20億円という邦画としては巨額の予算をかけ、VFXの見せ場たっぷりで作られた妖怪アクション映画だ。大作だけに夫木聡&柴咲コウという金看板二枚を主演に据える万全の体勢。ヒットしてくれないと困りますよ、というわけだ。 どこか日の戦国時代を思わせる異世界、野心あふれる武将、醍醐景光(中井貴一)は天下取りの力と引き換えに、我が子の体を幾多の魔物へと差し出す。やがて48の部位を失って生まれてきた赤ん坊は、そのまま川に捨てられてしまうが、心優しい医者の秘術により人工の体で補完され、やがて立派な青年百鬼丸(夫木聡)へと成長する。 さて、そんな悲しい出生をもつこのヒーローは、一体の魔物を倒すたび、失われ

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/01/29
    VFXと妻夫木聡と柴咲コウを見る映画、ではあるが
  • 超映画批評『それでもボクはやってない』98点(100点満点中)

    『それでもボクはやってない』98点(100点満点中) 2007年/日/カラー/2時間33分/配給:東宝 すべての男が見るべき大傑作 2006年の総評でもちらと触れたが、昨年私が見た数百映画の中で、もっとも面白かった映画がこれである。痴漢冤罪という、誰にでも実感できる切り口で日の刑事裁判の抱える問題点を描いた社会派映画。しかしながら堅苦しさはゼロで、娯楽度満点。先が気になる度がきわめて高いストーリーと、へぇ連発のディテール。どこをとっても完璧に限りなく近い、まさしく年度を代表する傑作といえる。 主人公のさえないフリーター(加瀬亮)は、満員電車から降りたとたん女子中学生に手首をつかまれた。駅員室に連れて行かれた彼は、覚えのない痴漢を頑強に否定。すると警察がやってきて留置され、そのまま裁判を闘うことになるのだった。 この映画の上映時間は147分。一見長大に思えるが体感時間はその半分程度、

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2007/01/19
    すべての男が見るべき大傑作
  • 超映画批評『ライアンを探せ!』30点(100点満点中)

    『ライアンを探せ!』30点(100点満点中) The Wild 2006年12月16日(土)より丸の内プラゼール他全国ロードショー 2006年/アメリカ/カラー/配給:ブエナビスタインターナショナル(ジャパン) お手軽品にもほどがある 今年の冬シーズンにディズニーがぶつけてきたのは、アメリカで4月に公開され、初登場4位と惨敗したこの『ライアンを探せ!』。アチラでもあまり評判のよろしくないコイツを、お正月映画の手札にせざるを得ない今冬の彼らはかなり厳しい。 ニューヨーク動物園一の人気者で、唯一の野生育ちということで、仲間内からも尊敬されているライオンのサムソン(声:キーファー・サザーランド)。その息子ライアン(声:グレッグ・サイプス)にとって、偉大な父は大きなコンプレックスとなっていた。そんなある日、アクシデントからライアンがトラックに連れ去られてしまう。サムソンは最愛の息子を救うべく、

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2006/12/13
    個人的にはそれなりに楽しめたんだが。
  • 超映画批評『犬神家の一族』40点(100点満点中)

    『犬神家の一族』40点(100点満点中) 2006年12月16日~有楽座系にて公開 2007年/日/配給:東宝 前作のDVDを見ればすむ、というのでは少々物足りない 横溝正史の小説『犬神家の一族』は、ある程度以上の年齢層にとっては、日で一番有名なミステリのひとつだ。横溝正史は、いわゆる格もの(探偵役が論理的にトリックを暴き、犯人を当てるタイプの推理小説)の名手として、数々の傑作を残した推理作家。作は、彼が生み出した名探偵、金田一耕助が活躍するシリーズの代表作。映画としては、76年に作られた同名作品のリメイクとなる。 犬神財閥の創始者が死去した。遺言には、なんと莫大な遺産をお気に入りの他家の娘(松嶋菜々子)に譲るとある。相続の唯一の条件は、彼女が直系である3人の孫の誰かと結婚すること。銭ゲバの親族たちは、あまりに非常識な内容に大激怒。案の定、凄惨な連続殺人が発生、名探偵金田一(石坂浩

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2006/12/13
    イマイチな出来でも観てしまうかも・・・
  • 超映画批評『スキャナー・ダークリー』30点(100点満点中)

    『スキャナー・ダークリー』30点(100点満点中) 「A Scanner Darkly」2006年/アメリカ/カラー/100分/配給:ワーナー・ブラザース 2006年12月9日、シネセゾン渋谷他にてロードショー 麻薬の怖さを実写以上にリアルに伝えてくる 同週公開の『オープン・シーズン』のところで、「米国のアニメ映画にはファミリー向きが多い」と書いておいて恐縮だが、同じアニメ映画の『スキャナー・ダークリー』は、まったくその範疇には入らない。これは、一応アニメーションの部類ではあるものの、見た目も内容も相当な異色作だ。 7年後の未来。アメリカには、物質Dなる強力なドラッグが蔓延していた。徹底した盗聴・監視技術で犯罪を防ぐこの時代においても、最大の難関であるこのドラッグの生産拠点をつかむべく、当局は捜査官ボブ・アークター(キアヌ・リーヴス)にある密売人の監視を命じた。ところがその監視対象とは、覆

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2006/12/03
    麻薬の怖さを実写以上にリアルに伝えてくる
  • 超映画批評『硫黄島からの手紙』90点(100点満点中)

    『硫黄島からの手紙』90点(100点満点中) 「Red Sun, Black Sand」2006/アメリカ/配給:ワーナー映画 2006年12月9日(土)丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー 見終わって大いに考えさせられる一 米国を代表するスターであり映画監督のクリント・イーストウッドは、保守的な思想を持つ人物として広く知られている。しかし意外にも彼が作る映画は、思想的に極端に偏ることがなく、公平かつ冷静な視点で物事を見たものが多い。 今回二部作として映画化される史実、"硫黄島の戦い"は、私たち日人も当事者の一方であるが、彼のような監督が撮るという事には、一種の安堵感すら感じられる。とくに、プロパガンダくさい戦争映画を嫌う観客(例:『パール・ハーバー』のトンデモ度の高さに閉口した皆々様)にとっては、なおさらだ。 さらに、現在公開中の序章にあたる『父親たちの星条旗』を観

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2006/12/03
    見終わって大いに考えさせられる一本
  • 超映画批評『武士の一分』85点(100点満点中)

    武士の一分』85点(100点満点中) キムタクの魅力を引き立てた相手役の檀れいが最大の収穫 山田洋次監督による、藤沢周平原作もの時代劇三部作の完結編である作は、同時に木村拓哉が主演ということで、メディアから熱い注目を浴びている。視聴率請負男を主演に据え、万全の体勢で挑むこの映画がもし、コケるような事にでもなれば、大変な騒ぎになることは容易に想像できる。はたしてその演技は鑑賞に耐えるものか否か。 時代は幕末、主人公は東北の小藩の下級武士、三村新之丞(木村拓哉)。彼は城内の毒見役の一人としてわずかな収入での加世(檀れい)と共につつましく暮らしていたが、あるとき事故で失明してしまう。城にも通えなくなり、暮らしが徐々に立ち行かなくなる中、それを見越した有力者の島田(坂東三津五郎)は、かねてから狙っていた加世に近づいていく。 卑劣な上司から、愛する家族にひどい仕打ちを受けた男が、まったく勝ち目

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2006/11/26
    キムタクの魅力を引き立てた相手役の檀れいが最大の収穫
  • 超映画批評『007/カジノ・ロワイヤル』80点(100点満点中)

    『007/カジノ・ロワイヤル』80点(100点満点中) リアル志向のスパイ映画に立ち返り大成功 英国の紳士的なスパイの活躍を描く『007シリーズ』は、これまで色々なやり方でマンネリ打破に挑んできた。それは007が、イアン・フレミングによる原作からの根強いファンを多く抱えるとはいえ、すでに年間有数のビッグバジェットシリーズとなった以上、その期待にこたえつつも、常に若い新しいファンを取り込んでいかねばならない宿命にあるからだ。オジサン相手の古臭い古典と思われたら、そこでシリーズの命運は尽きるのだ。 そのため、主人公のジェームズ・ボンド役を数作ごとに変更、リフレッシュしたり、話の展開を派手にするなど様々な試みが行われた。しかし、ボンドが宇宙にまで進出したり、VFX満載で人間離れした動きを見せるアクションシーンは、スパイムービーとしての質を大きく逸脱しており、主演俳優の変更とてその手法自体がマン

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2006/11/26
    リアル志向のスパイ映画に立ち返り大成功
  • 超映画批評『イカとクジラ』75点(100点満点中)

    『イカとクジラ』75点(100点満点中) あまりに鋭すぎる人間観察眼、そして心温まる結末 タイトルから内容がまったく想像できない映画だが、アカデミー脚賞にノミネートされるなど、その細やかな人間描写が米国で高く評価された一。万人向けではない内容だから公開規模も小さいが、その質の高さから私も強くこの作品を買っている。 舞台は1986年のニューヨーク。主人公一家は、夫婦ともに作家。しかし、脚光を浴び始めた(ローラ・リニー)に対し、夫(ジェフ・ダニエルズ)は現在まったくなかず飛ばず、長いスランプに陥っていた。しかしかつての栄光のせいでプライドだけは異様に高く、彼女を認めてやることができない。やがて二人は離婚、父に心酔する息子ウォルト(ジェシー・アイゼンバーグ)と、母親っ子のフランク(オーウェン・クライン)を巻き込み、家族は真っ二つに分かれてしまう。 この4人の心理を徹底したリアリティで描く優

    kitakogane_aoi
    kitakogane_aoi 2006/11/26
    タイトルから内容がまったく想像できない映画。あまりに鋭すぎる人間観察眼、そして心温まる結末。