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恋愛に関するkiteretsu-elekitelのブックマーク (9)

  • 同級生だった男の子が好きだった

    同級生だった男の子が好きだった。幼稚園から高校までエスカレーターでもないのにずっと同じだった。一番好きだったのは高校生の時期だった。家が近いわけでもなかったし同じ趣味があったわけでもなかった。クラスはたまに同じになったり離れたりしていた。高校生のとき同じ部活に入った。彼が入ったから入った。他にも理由はあったように思うし、後付けのような理由だったとも思う。女子の競技人口が少なくて大学進学時の箔付けになるから。そう自分を誤魔化していたように思う。ボードゲームの部活だからかいつだって部室の空気は緩く、先輩後輩の上下関係もなく、先生にもタメ口で話していた。学校に持ち込むのを特に禁止されていたわけでもなかったお菓子をみんなでつつき、暗くなるまで駄弁っていた。皆仲が良かった。帰りが遅くなったからと送ってもらったことがある。10年以上前なのに未だに鮮明に覚えている。あの時流行っていた曲の歌詞のような時間

    同級生だった男の子が好きだった
  • それはつまり、設楽さんなのか。日村さんなのか。|中前結花

    その昔、カタカナの「シ」と「ツ」の書き方の違いを、バナナマンの日村さんに教えたのは、相方の設楽さんだ。 おかしな話だけれど、日村さんは「シ」と「ツ」、ついでに「ン」の書き方が怪しい。 設楽さんは何度だって「“シ”はね、“ツ”はさ、」と、その書き方について説明してきた。 その度に「そっかそっか」「またやっちゃった」と日村さんは言うけれど、おそらく、きっと、今でもあやふやなのだ。 うんと若いころ、2人が足を踏み入れた畳の楽屋には、座布団がいくつか積み上げられていた。 日村さんは、迷うことなくその上に「デンッ」と腰を下ろす。 設楽さんは「日村さん、どうしてその上に座っちゃうの?オレも居るんだから、そういうときは、1枚オレに渡すんだよ」と伝えた。 「そっかそっか」と日村さんは座布団を設楽さんに渡したという。 もちろん今は、そんなことはしない。 たくさんのことを注意されて、たくさんのことを教わって。

    それはつまり、設楽さんなのか。日村さんなのか。|中前結花
  • 旅が終わる気がする

    私の故郷はとても寒い場所にあって、そこで大人になるまで暮らしていました。 事情があって町を出てから初めて、あぁ、私はここから当に離れたかったのだなと気がつきました。 一人暮らしを始めた日は大雨警報が出ていて、ラジオからは空港で足止めになった人がインタビューを受ける声が聞こえました。 これから暮らす知らない街は嫌がらせのように道が入り組んでいて、番地の順番はひどく不規則でした。土砂降りの中、散々迷ってほうほうのていでアパートに辿り着いたとき、私は全身ずぶ濡れで、まるで服のままシャワーを浴びたかのようでした。 電気がまだ通っていなかったので部屋の中は真っ暗でした。ドアを開けると、安くて古い家特有の匂いがして、一歩進むごとに床がぎしぎし鳴りました。アパートの廊下の灯りに照らされて、自分だけの部屋に一人佇む私のシルエットが浮かぶのが見えました。 それを見た瞬間、お腹の底からわーっと力強いエネルギ

    旅が終わる気がする
  • 手をつないだ

    あまりに急だったから、捕まれたのかと思った。 でも、道が狭くて手を離したほうが良いような場面でも離さないでいてくれた。 すごくびっくりして、どうして手をつないだのか聞けなかった。 二人とも、なんでもないみたいにお喋りを続けた。 すごく優しくて簡単に振りほどけそうだった。 彼の手は少し汗ばんでたけど、全然嫌じゃなかった。 少しぎゅっとしたら、少しぎゅっと返してくれた。 こんな素敵なことが、自分の人生に起こるなんて思ってもいなかった。 好きな人と手をつなぐって、こんなに幸せなことだったんだ。 どうしたらこの気持ちを忘れずにいられるだろう。 ずっとこの日のことを大切に保存したい。 生きててよかった。 お母さん、私を生んでくれてありがとう。

    手をつないだ
  • 思い出は、廊下に溶け込んでいる

    金曜の夜。 恥ずかしながら婚約破棄をされた。仕事も上手くいかない時期だったこともあり、正直人生を終わりにしようかと思った。 帰り道、家に帰りたくなくて朝まで川沿いをひたすら歩いて足が動かなくなるまで歩いた。家に帰れば、昨日までの思い出が全て無くなってしまう現実感に耐えられないと思ったからだ。まるで帰る場所までも奪われたような感覚だった。 生まれた場所や育ちの影響もあってどこかに遊びに行くことが恐らく人よりもずっと少ない人生だった。毛嫌いしていたディズニーランドも三十路手前のこのいい歳になってから初めて楽しいことを知った。月並みだけど、この楽しさはずっと続くものだと思いこんでいた。少なくとも金曜の夜、急になくなったりはしないと。 なぜこんな全てを奪うようなひどいことをするのだろうと思った。だけど、突き詰めればやっぱりそれば自己中心的な考えで、全ての責任というか、このことを招いた原因は自分にあ

    思い出は、廊下に溶け込んでいる
  • ホワイトデーが楽しみすぎる

    ホワイトデーが楽しみだ。 生まれて初めて、「命」を渡せるタイミングで彼氏がいた。 バレンタインデーには勿論チョコレート。なんてことない顔をして、こっちの方が安上がりなんだよって言いながら、手作りのやつを渡した。当は5回は1人で練習したやつだ。 そして3月になり、ついにホワイトデーがやってくる。「命」を渡したことがないから、当然「命」をもらったこともなくて、一体何が起こるのか楽しみでならない。 やっぱりお菓子かな。小さくて可愛いマカロンとか、笑いながら2人でべるのかな。俺マカロンの旨さ未だに分かんねえよ、とか照れながら言うのかな。 アクセサリーの可能性も高い。それなら私はイヤリングがいいな。そうしたら、次に会うときは私、ちゃんと髪を縛って行くから。 手作りをするような人ではないけど、もし手作りならどんなものでも嬉しい。スマホのレシピとにらめっこして作ったんでしょう。人に渡せる形にな

    ホワイトデーが楽しみすぎる
  • 28年生きてて初めて彼氏ができたけど

    異物感がすごい。 和室の隅に場ブラジルのサンバダンサーが鎮座してるみたいな。 全然私の人生と馴染まない。 やばい。 もう全然理解が追いつかなくて途方にくれてる まず手を繋いだりするんだよね?ヤバイ・・・うそだろ・・・ もう想像するだけで発狂しそうだし裸足で遠くへ逃げたい 彼氏が・・・?私に・・・?うそだろ・・・ キスをしたりする?うそだろ・・・犬としかしたことない(くさい)・・・ その先・・・????・・・・・?????????? えっ・・・無理・・・18禁BLの知識しかない・・・これ役に立つ?多少の汎用性ある? すご・・・無理・・・私のこと好きらしいよ・・・えっ? 28年サバンナのガゼルのように生きてきたんだよ・・・・・ 突然やさしさで包まれてもスペースキャット顔しかできない 嬉しいけどありがとうだけど・・・和室の隅のサンバダンサーにどう接したらいい??? わかんねえ・・・やべえ・・・

    28年生きてて初めて彼氏ができたけど
  • 吐き気がするような恋をした

    馬鹿な恋だった。恋といえるかもわからない。私はまだ高校生で、思春期にありがちな思い込みとか憧れを恋情に取り違えてるだとか人付き合いに慣れてないから感情の整理がついていないのだとか、そういう理屈付けなんていくらでもできてしまえる。 私は今すごく落ち込んでいて、突発的にツイッターで見かけた匿名ブログを思い出してここに登録してこんなものを書いてるくらい気持ちが混乱しているから、きっと文章もぐちゃぐちゃで長くなると思う。時間泥棒。ごめんなさい。 よくある話。相手は同性だった。高校一年の時、当に最初。入学式の列に並んでいるときに私から話しかけた。振り向いて、その目の大きいのと日に焼けた肌とポニーテールがかわいいのと、一目でころんと恋に落ちてしまった。 声が掠れてて低いこと。背が私より13センチも低いこと。誕生日もこっそり知ってる。同じ中学で絵が上手くて、メガネで華奢な幼馴染によく甘えている。好きな

    吐き気がするような恋をした
  • 女王様と私

    中高の友人と久々に会ったら、SMの女王様になったと聞かされた。 性に関わる仕事の人が身の回りに現れたのは私の場合はじめてだったんだけど、差別とかそういう気持ちは全く出てこなくて、むしろ自分と全く違う世界の話が聞きたいという純粋な好奇心で色々聞いた。 この子が人をいじめて楽しむタイプとは全く思えなかった。 やっぱり一番気になるのは「当にそういう性癖なのか」だけど、彼女は「自分でもよくわからない」と言っていた。 先日別れた彼氏がMの人だったらしい。結構長く付き合っていたからそういう関係に慣れちゃって、彼をいじめることがなくなってふらふらしていたら、SMカップル同士として知り合っていた女王様に声を掛けられて、とか。 やっぱり人に好意を向けられるのは気持ちいいし、当然番とかもないから仲良く遊んでお金をもらうみたいな感覚だし、意外と楽しいらしい。 でも、その彼は軽めのMだったみたいで、暴力みたい

    女王様と私
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