宮城県の美術館が、震災の恐ろしさを後世に伝えようと、がれきなどの収集に奔走している。 仙台市の図書館は避難所で配られたミニコミ誌などを集めている。いずれも、「記憶を風化させたくない」との思いがこもる。「災害伝承の拠点」として、収集品を展示する計画だ。 地元の広域行政事務組合が運営する気仙沼市の「リアス・アーク美術館」の学芸員山内宏泰さん(40)は、「東日本大震災記録・調査担当」として、2トントラックで家屋のがれきなどを集め続けている。震災翌日から撮り続けた写真も2万枚を超えた。 石巻市に生まれ、気仙沼市に住んで10年以上。「無残に破壊された故郷をシャッターで収め、集めるのはつらい。でも、惨状を記録し、記憶にとどめることが学芸員の使命だと思っている」と語る。もともと、美術品や民俗資料などの調査研究、収集が担当。被災した美術館の補修が終わる来年にはがれきなど収集品の整理を進め、2013年