財政難のため図書購入費減額に苦しむ徳島県立図書館で、企業や団体に広告付で閲覧用雑誌を提供してもらう「雑誌スポンサー」が大きく落ち込んでいる。2009年10月から導入したが、対象210誌のうち本年度(18日現在)のスポンサーは32誌と11年度の63誌から半減。同館では蔵書確保対策として広く協力を呼び掛けている。 スポンサーは、閲覧用雑誌の購入代金を企業や団体に負担してもらう代わりに、広告として雑誌のカバーにスポンサー名を表示したりチラシを入れたりする仕組み。契約期間は1年以上3年未満で、季刊など一部を除く同館の雑誌リストから2誌以上を選ぶ。 大学や病院、介護福祉関係、飲食店などがスポンサーとなり、10年度には30企業・団体が80誌を提供。雑誌購入費が約87万円抑えられた。しかし11年度には23企業・団体に減少。本年度は再契約10、新規4の14企業・団体(購入費約38万円分)にとどまる。
自治体が協力して地域づくりを行う定住自立圏構想を進める徳島市と周辺市町村は4月から連携事業を拡充した。病児・病後児保育が5市町村間で、図書館は3市町間で新たに相互利用が可能となり、市民サービスの向上につなげる。 構想に参加しているのは徳島、小松島、勝浦、上勝、佐那河内、石井、神山、松茂、北島、藍住、板野、上板の12市町村。昨年9月末に圏域で取り組む連携事業を盛り込んだ「共生ビジョン」を策定した。 4月から始めた病児・病後児保育の相互利用は徳島、小松島、石井、勝浦、佐那河内の5市町村で実施。5市町村の住民であれば、域内6カ所の受け入れ施設のどこでも1日1800円の統一料金で利用できる。徳島、石井、北島の3市町の住民はそれぞれの図書館で貸し出しを受けられる。 また、農業の基礎知識・栽培技術を学ぶ徳島市の「市民ファーマー講座」の受講と、NPO法人や市民団体の育成・活動を支援する徳島市市民活
徳島市の県立図書館が、1900年ごろから50年ごろまでに国内でSP盤レコードなどに収録された「歴史的音源」の配信サービスを始めた。歌謡曲やジャズ、講演など幅広いジャンルのデジタル化された約2万6000点で、これまでは東京の国立国会図書館でしか聴くことができなかった。県立図書館は「貴重な音源の数々を幅広い世代に楽しんでほしい」と利用を呼び掛けている。 配信サービスは、貸し出しカウンター近くに設置されたパソコン3台で行っている。国立国会図書館のWEBページにリンクし、タイトル一覧や検索画面から音源を選ぶことができる。 県立図書館によると、収録年が判明している中で最も古いのは、21年にレコード化された歌舞伎役者・中村雁治郎の「藤十郎の恋」と、童謡「鳥の手紙」。 最後の元老・西園寺公望の国葬を伝えるNHK実況放送(収録年不明)、大隈重信とみられる人物の演説「憲政における世論の勢力」(22年)
東日本大震災で津波被害を受けるなどした公立図書館の状況などを紹介する写真展「東日本大震災と図書館」が10日、徳島市の県立図書館1階ギャラリーで始まった。29日まで。入場無料。 震災後、日本図書館協会(東京)が、全国の図書館職員やボランティアに呼び掛けて結成した「図書館支援隊」のメンバーが岩手、宮城、福島の3県で撮影した写真約150枚を展示している。 津波で建物ごと流された宮城県南三陸町図書館の跡地、石巻市図書館分館の2階の屋根に乗った大型バスなど生々しい写真が並ぶ。このほか、ページの間に蛍光灯の破片が挟まったり、水に濡れたりした本の修復や整理、幼稚園での読み聞かせなど支援隊の復旧活動も紹介している。 来館者は、震災で図書館や本も被害に遭ったことを知り、熱心に写真に見入っていた。
吉野川市出身の故後藤田正晴元副総理の蔵書を収めた「後藤田正晴文庫」が5月ごろ、川島、山川両図書館に開設される。遺族が約700冊の蔵書を市に寄贈。感想やメモを書き込んだ貴重な本もあり、名誉市民でもある元副総理をより深く知ってもらおうと、市が準備を進めている。 文庫は両図書館の一角に設ける専用書棚に約200冊ずつ並べて開設。蔵書は「田中角栄の真実」「日本経済への最後の警告」「日米関係と東アジア」など政治経済や国際関係が多く、劇作家で演出家の故つかこうへいの小説やレンブラント(オランダ、1606~1669年)の画集などもある。貸し出しはせず、館内で閲覧してもらう。棚に収まりきらない本も見ることができる。 蔵書の中には、後藤田元副総理が感想を書き込んだり線を引いたりしたものや、中曽根康弘元首相ら著名人のサインが入った本も200冊ほどある。これらは山川図書館の書庫に保管し、希望すれば閲覧できる。
明治から昭和初期にかけて徳島県内の商店が宣伝のために顧客らに配った引札(ひきふだ)を紹介した企画展「阿波引札の世界」が2日、徳島市の県立文書館で始まった。 引札は、食品店や呉服店などが年始や大売り出しの際に配った紙で、現代のチラシにあたる。 展示されているのは約40点。洋品店が作ったハンチング帽やコートを着た大黒天を描いたものや、「もうかる」に掛けて、藻を刈り取る女性を描いた材木商発行のものなど、縁起の良い絵柄や言葉を用いて色鮮やかに描かれた引札が多い。それぞれの札に解説文をつけて紹介している。 企画展は10月23日までで入場無料。8月21日、10月2日の両日は同館職員らによる展示解説もある。
神山町神領の神山温泉が、特産のスダチを使った炭酸飲料「神山すだちサイダー」を開発した。2日、同温泉で試飲会があり「甘さ控えめでさっぱりしている」と好評だった。既に同温泉などで販売している。 サイダーは、神山町産スダチの果汁入り。さわやかな酸味と香りが楽しめる。ラベルはスダチの濃い緑を基調に、スダチの花の図柄をあしらったシンプルなデザイン。 町内のスダチ農家などと意見を交換しながらコンセプトを練り、大阪府の飲料メーカーに委託して生産。価格は250ミリリットル瓶で1本250円。6月下旬から同温泉のほか、近くの道の駅などで販売している。 試飲会には住民ら15人が参加。焼酎のサイダー割りなどのアレンジメニューも楽しんだ。 同温泉が住民らと一緒に特産品や旅行商品の開発を進める「神山旬感工場プロジェクト」の一環。今後、特産のシイタケやウメを使った商品開発にも取り組む。
昨年4月に三好市池田町マチの商業施設「サンライズ」4階に移転オープンした同市中央図書館の利用者数と貸出冊数が、前年度比で大幅に伸びている。利用者で約70%、貸出冊数で約50%の増加。スーパーに併設されたことで利便性が向上し、学習室を設けるなど子どもが使いやすい環境づくりに努めたことが要因となっている。 図書館は、旧館の施設老朽化で蔵書数を約3千冊多い約5万冊に拡充して開館。旧館は4フロアに分かれていたが、ワンフロアにし、面積も約3倍の1300平方メートルにした。児童書コーナーや子ども向けの学習室なども新たに設置した。 利用者数は一気に増加し、昨年10月上旬に前年度を上回った。1年間で前年度比7580人(70・4%)増の1万8343人に達し、貸出冊数は、2万3526冊(46・7%)増の7万3851冊になった。 買い物の際に立ち寄ったり、子どもの本を借りに来たりする中高年の女性の姿が目立
行政や企業、個人の文書を情報資源と位置付け、保存・活用を研究するアーカイブズ学の博士号を、鳴門市撫養町出身の中京大学社会科学研究所特任研究員、東山京子さん(48)=名古屋市昭和区=が国内で初めて取得した。 東山さんは、2008年4月に日本で初めてアーカイブズ学の本格的専攻課程が開設された学習院大学大学院博士課程の1期生。同期4人のうち、博士論文を提出したのは東山さんだけだった。 東山さんは、鳴門高校から東海大学文学部史学科に進学。会社勤務を経て、1994年10月に中京大学社会科学研究所の職員になった。同大教授とともに台湾総督府の文書目録の編さんに携わったことがきっかけで、文書の保存や活用に興味を抱くように。研究所で勤務する傍ら、週に2日上京して学習院大大学院に通った。 学位論文のテーマは「台湾総督府文書のアーカイブズ学的研究」。45年の敗戦まで日本が台湾を統治するため設置された台湾総
阿波市立阿波図書館(阿波町東原)の図書返却口に水道ホースが挿入されて水が流され、書籍や館内が水浸しになる被害に遭ったことが二十六日、分かった。この日は休館日だった。市と、図書館を管理運営する指定管理者の図書館流通センターは悪質ないたずらとみて阿波署に通報。同署は器物損壊容疑で捜査する。 市などによると、同日午後四時五十分ごろ、同館を訪れた女性が、正面玄関脇の庭の蛇口につないである水道ホースが返却口(縦十九センチ、横三十三センチ)に入れられ、水が出しっ放しになっているのに気付き、隣接する市役所に報告した。 市やセンター職員が確認したところ、館内の返却箱(縦、横七十五センチ、高さ八十センチ)にホースが垂れ下がり、箱の中の書籍約三十冊とビデオテープ数本、郵便物が水につかっていた。返却箱には庭にあった植木鉢も投げ込まれていた。 また、返却箱から水があふれ出し、玄関ホールや児童図書コーナ
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