西鉄天神大牟田線・貝塚線100年 西鉄天神大牟田線は1924年4月、貝塚線が同年5月に開業。ともに今年で100年を迎えます。大牟田線は当時、関東と関西以外では唯一の都市間高速電車として天神と久留米を結び、15年後に大牟田へと延伸。戦後も、福岡県内の南北の交通の背骨として街の発展に大きく寄与してきました。両線にまつわる物語を発信していきます。
弥生時代、現在の福岡県筑紫野市に有力な首長墓が存在したことを示す江戸時代後期の記録「鉾之記(ほこのき)」が約90年ぶりに“再発見”された。長らく所在不明となっていたが、市内の九州産業高の生徒たちが郷土史研究の過程で、鉾之記を書いた庄屋の子孫宅から見つけた。市は実物の可能性が高いとして、子孫から古文書を譲り受けた。 二日市村の庄屋だった鹿島九平次は1857(安政4)年、地元で甕棺墓(かめかんぼ)を発見し、入っていた銅剣と銅鏡の絵とともに当時の状況を鉾之記につづった。市文化財課によると、甕棺墓の発見場所や遺物の行方は不明だが、村は有力なクニだった奴国の域内にあり、ランクの高い首長墓だったと考えられている。 ...
岩田屋三越(福岡市)は、客が入場料を支払い、飲み物を味わいながら本を選ぶユニークなスタイルの書店「文喫(ぶんきつ)」が来年3月末、同市・天神の岩田屋本店に開店すると明らかにした。全国では東京に次いで2店目。新型コロナウイルスの影響やインターネット通販の拡大で百貨店の来店者数が伸び悩む中、客に体験を提供する「コト消費」の分野を強化する。 2018年に東京・六本木にオープンした文喫1号店は、日本出版販売グループのリブロプラス(東京)が運営。入場料は平日1650円、土日祝日は1980円。制限時間はなく、平日使い放題の個人向け定額制サービス(月額1万円)もある。無料のコーヒーや日本茶を飲みながら、専門書や写真集などを約3万冊の中からじっくりと選んでもらう趣向だ。 岩田屋に進出する文喫は、今年11月に閉店した書店「リブロ福岡天神店」があった7階の区画に入る。入場料は、1号店と同等になる見込み。同じフ
アフガニスタンなどで人道支援に取り組み、昨年12月に凶弾に倒れた故中村哲医師の志を継ぐため、母校の九州大は12日、中村さんの生き方、考え方を学ぶ新入生向けの記念講座を新設すると発表した。著作や映像資料を紹介する「メモリアル・アーカイブ」も新たに設けるという。九大で行われたオンラインシンポジウムで説明した。 記念講座「中村哲先生の想いを繋(つな)ぐ」(仮称)は全学部の1年生を主な対象とし、2021年度夏以降に始める予定。計8回で、中村さんと共に活動した非政府組織(NGO)「ペシャワール会」(福岡市)のメンバーらが講師を務める。九大の鏑木政彦共創学部長は「学生自身が自分に何ができるか考え、行動するきっかけにしてほしい」と話す。 アーカイブは、中村さんの著作や活動を収めた映像、新聞記事などを集めて図書館で管理・保存し、一般にも公開する。伊都キャンパスの中央図書館には展示スペースの設置も計画。命日
大学の講義や学術書によく出てくる英単語を収録した「WORDQUEST(ワードクエスト)~世界とつながる上級英単」を、九州大共創学部(福岡市)の学生が作成、出版した。新語や専門用語などを含め約1500語について意味や例文だけでなく、言葉の理解を手助けするデータや情報も掲載。似た意味の単語を一緒のページに載せることで関連づけて覚えられるよう工夫も施しており、手がけた学生たちは「市販とは違う学生の使いやすさを重視した」としている。 同学部は、グローバル社会の課題に対応する人材育成を目指し、2018年4月に開設。内田諭(さとる)准教授(37)が、講義で必要な上級レベルの単語帳を学生たちで作れないかと提案し、賛同した25人が編集委員会を立ち上げて“授業外”で取り組んだ。 単語帳づくりに当たってはまず、学術書や市販の英単語帳約40冊から頻出する言葉を抜き出し、「学術」「SDGs(持続可能な開発目標)」
熊本県天草地方に1591~97年にあったとされるキリシタンの最高学府「天草コレジオ」の所在地について、現在の同県天草市河浦町にあったことを示す古文書が、英国の大英図書館に所蔵されていることが分かった。具体的な地名に言及した文書が確認されたのは初めて。天草コレジオの場所は、キリシタンへの迫害から逃れるために当時の宣教師の書簡にも残っておらず、市町合併で天草市になる前の旧河浦町と旧本渡市のどちらにあったか論争が続いていた。 古文書は、イエズス会のフランシスコ・ロドリゲス神父が書いた1601年9月30日付の同会年報。同会日本管区代表を務めた人物で、地元の郷土史家らでつくる天草キリシタン研究会(浜崎献作会長)が昨年11月、大英図書館所蔵の年報の存在を知り、東京大学史料編纂(へんさん)所から画像を入手。キリシタン史に詳しい慶応大の高瀬弘一郎名誉教授に解読を依頼した。 高瀬氏によると、年報にはラテン語
建て替えが検討されている福岡県立美術館(福岡市中央区天神)を巡り、有識者による建設地選定委員会(会長=建畠晢・多摩美術大学長)は16日、同区の「大濠公園(福岡武道館及(およ)び日本庭園の一部)」への移転、新築が望ましいとする報告書を小川洋知事に提出した。知事は月内に建設地を決める方針。 武道館や日本庭園は大濠公園南側に位置。報告書は、公園内には市立美術館や能楽堂があり、芸術文化エリアとしての魅力向上▽大規模美術展や文化イベントの共同開催▽日本庭園との一体整備による日本文化の発信―などが期待できると評価した。県と市は大濠公園(県管理)と隣接する舞鶴公園(市管理)の一体活用を図る「セントラルパーク構想」を進めており、中核施設になり得る点にも着目。一方で、武道館の移転を課題に挙げた。 選定委は必要な敷地面積を約1万平方メートルと想定。交通利便性▽他の文化施設との連携▽福岡の魅力倍増が期待できる―
アフガニスタンで凶弾に倒れた福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師(73)の偉業を世界に伝えようと、政府が自伝を英訳し、2020年度中に海外57カ国の大学図書館や公共図書館、研究機関など約千カ所に寄贈する計画を進めている。作品は「天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い」。中村さんの著作の英語版刊行は初めて。 海外での日本理解を促す内閣府の翻訳出版事業「JAPAN LIBRARY(日本文庫)」の1冊として出版する。 同書は、戦乱や干ばつで荒廃したアフガンやパキスタンで、多くの市民とともに人道・復興支援活動を続けた中村さんが、自らの生い立ちや医学を専攻した経緯、現地での医療支援、かんがい工事への情熱などをつづり、13年にNHK出版から刊行された。 事業の事務局を担う出版文化産業振興財団(JPIC)によると、中村さんの自伝は19年1月に同事業での英訳が決定。中村さん
江戸時代の島原藩の古文書を収蔵する「肥前島原松平文庫」(約1万8千点)を掘り起こした研究者の足跡、文庫のかかわりを紹介する企画展「松平文庫の開拓者たち」が、長崎県島原市城内の島原図書館で開かれている。入場無料。来年2月2日まで。 松平文庫は1960年、九大大学院生だった田中道雄・佐賀大名誉教授(85)らが史料調査で発見したことをきっかけに調査・研究が進展した。初期の目録作りなどに携わった研究者から日本を代表する国文学者を輩出するなど、文庫の史料が研究を下支えした面もある。 企画展では田中さんら11人の研究者の代表的な著作物約20点と、関連する文庫の古文書約60点を並べて紹介。例えば「源氏物語」研究の第一人者、故今井源衛・九大名誉教授の紹介では、源氏物語を論考した著書と、江戸前期の作成とみられる写本を組み合わせた。 古文書には初夢から詠まれた連歌など新年にちなむ場面を選んだものもあり、市教委
十数人の山伏の中に1人、細身の外国人女性が交じっていた。福岡県の宝満山(829メートル)は古来、修験道が盛んで「祈りの山」とも呼ばれる。女性は山頂に向かう間、ほこらなどがあるたびに手を合わせていた。何を感じ、どこに心を寄せたのだろう。 宝満山の歴史に関心のある僧侶や研究者などでつくる「宝満山修験会」が毎年5月、一般登山者とともに山の神に祈りながら山を巡る「峰入り」がある。僧侶たちと同様に山伏姿のロベルタ・ティベリさん(41)は今年、イタリアから4年ぶりに参加した。 宝満山登山は6回目になる。出合いは九州大の大学院生時代。最初に住んだ福岡市南区に、修験会に加わる藤野賢隆(けんりゅう)さん(71)が住職の本行院があった。満開のサクラに誘われて立ち寄った本行院で、宝満山の峰入りがあることを知り、興味を持った。 ベネチア大では日本語専攻。「山伏の格好をして登りたい」と願い出ると「最低でもお経が唱え
九州大芸術工学部は来年4月から、現行の5学科を1学科5コースに再編し、工業デザインや音響設計といった旧来の枠組みにとらわれない「未来構想デザインコース」を新たに設ける。再編は、1968年に九州芸術工科大として創設されて以来、初めて。 同学部によると、新年度から芸術工学科1学科となり、その中に(1)環境設計(2)インダストリアルデザイン(3)未来構想デザイン(4)メディアデザイン(5)音響設計‐の5コースを設置。5コースのうち、4コースは従来の学科を引き継ぐ形で、コースを超えた科目の履修も可能となる。 未来構想デザインコースは「プロジェクト型」の授業を多く取り入れながら、芸術や環境倫理学、情報科学など、多様な分野を学ぶカリキュラムが特徴。同学部は「時代の変化を学びつつ、社会のニーズに応じた新しいサービスや仕組み、事業などを設計、実現する高度な人材を育てたい」と話している。 募集定員は従来と変
福岡市交通局は6日、10月の消費税増税に合わせ、市営地下鉄全3路線の初乗り運賃を200円から210円とするなど、六つの料金区分のうち4区分で各10円値上げする方針を明らかにした。初乗り運賃が値上げされるのは1997年6月以来。13日開会の市議会定例会に条例改正案を提案する。可決されれば市は九州運輸局へ運賃値上げの認可申請を行い、10月の料金改定を目指す。 現行の初乗り運賃200円で利用できる空港線博多-天神間など営業キロが3キロまでの区間のほか、330、350、370円の区間がそれぞれ10円値上げされる。初乗り区間は子どもも100円から110円となる。260円区間と300円区間は据え置く。一方、通勤・通学定期は6区分全てで値上げされる。 初乗り区間を除く運賃の値上げは消費税が5%から8%に引き上げられた2014年4月にも実施された。
「ナマズの神様」として親しまれている福岡市早良区の賀茂神社に、国内最古となる「鯰(なまず)絵」奉納に関する文書が残っていることが研究者の調査で分かった。江戸時代(1821年)の日付で、皮膚病の平癒を神社に祈願し、「成就したらナマズの絵馬をささげる」とする内容。鯰絵は1850年代に頻発した大地震を受け、ナマズが起こすとされた地震を抑えようと全国的に流行した。近世の民間信仰の姿を示す貴重な資料として注目される。 調査はナマズの研究で知られる皇嗣(こうし)秋篠宮さまが1996年、福岡市で開かれた行事で賀茂神社について尋ねられたことを機に、ナマズの民間信仰を研究する元福岡女学院大講師の半田隆夫氏(日本近世史)らのグループが行った。 神社で見つかった古文書の日付は、1821(文政4)年6月25日。近くの姪浜村(当時)の住民が、首筋や脇腹にできた皮膚病が治るよう、神社に祈願したなどと記されている。この
◆上田秋成と令和 元号が「令和」になった。出典とされる『万葉集』巻五の「梅花歌三十二首」の序が注目されている。序の「初春令月、気淑風和」が、『文選(もんぜん)』所収の「帰田賦」の「仲春令月、時和気清」を踏まえており、文章全体は王羲之(おうぎし)の「蘭亭序」に倣(なら)っていることも報道されており、出典が国書か漢籍かという議論も巻き起こっている。 さて、「梅花歌三十二首」は、大伴旅人の任地大宰府で梅花を愛(め)でる宴に集まった人々の歌を録したもの。私は、旅人に強い関心を持っていた上田秋成(『雨月物語』の作者)が、序について何か述べていないか興味を持った。秋成の本領は国学者・歌人であり、晩年居住した京都では、正親町三条公則(おおぎまちさんじょうきんのり)という若い公家に『万葉集』の講義をしているくらいなのである。 公則への講義ノートである『楢(なら)の杣(そま)』を見ると、やはり秋成はこの序の
中国大陸の推理小説を日本に紹介しようと、福岡市に住む翻訳家の中国人夫妻が出版社を設立、25日に母国の作品を初めて刊行する。これまで日本に紹介されなかった「大陸ミステリー」を幅広く出版する計画で、「作品を通して中国社会の“今”を読者に伝えたい」と意気込む。 出版社を設立したのは、「張舟」のペンネームで翻訳や文芸批評に取り組む上海出身の周〓さん夫妻。2人はミステリー作品について語り合う中国のサイトで知り合い、結婚。日本企業に就職したのを機に2003年から福岡市内で暮らす。09年からは日本人作家、三津田信三さんの作品などを中国語に訳してきた。 中国では当局の厳しい検閲もあり、ミステリー作家が育ちづらいとされるが、「近年は海外に劣らないレベルの作品が増えてきた」という。ただ、日本の出版社に働きかけても採算面から出版にこぎ着けるのは一部に限られる。このため、夫妻は「売れるかどうかではなく、本当に面白
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