みやけ・たくや…1983年 大阪府豊中市生。2006年 京都工芸繊維大学工芸学部造形工学科卒業、2011年 東京都歴史文化財団東京都現代美術館専門調査員、2012年度全日本博物館学会奨励賞受賞、2013年 京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程修了、博士(学術)。現在、京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科助教。 本書が扱う〈陳列所〉とは、地方行政府によって「物産陳列所」や「商品陳列所」などという名称を冠せられて建設された公共の陳列施設である。これらは博物館関連施設、地域物産の販売所というように、現在の活用方法が異なるだけではなく、竣工時期、意匠、規模、構造、立地環境まで様々である。 この種の施設が、都市の農業・工業・商業を奨励する目的で各地に設置された経緯を検証し、制度・活動・建築を含めて都市との関わりに注目することで、明治から昭和戦前期の日本にあまねく普及した〈陳列所〉の実態を