最終的には、こども保険も、出世払い奨学金も、年金制度に統合されることになる。それが合理的だからだ。すなわち、本コラムが6年前の「雪白の翼」や3年前の「ニッポンの理想」で示した形となる。行き着く先は見えていても、人々の考えはゆっくりとしか変わらないから、紆余曲折を経る。今は、「年寄り向けの年金が、なぜ、子供や奨学金に結びつくの?」という段階だが、「年金は、働ける時期のお金を、若年期や高齢期などの働けない時期に使えるようにする仕組」だという本質を知るようになる。 出世払い奨学金の返済は、厚生年金の保険料に上乗せする形で徴収するのが手間がかからない。所得によって返済額を変えるようにするなら、なおさらだ。そうすると、財源を教育国債に求めるのではなく、本人の将来の年金の受給権を担保にすれば良いと気づく。しかも、厚生年金は、さしあたりの資金を積立金という形で、たんまり持っている。こうなると、奨学金とい