存続、廃止について答えが出ない死刑制度 誰もが最後は死ぬのなら、いま生きている期間は、いずれやってくる死を恐れながら監獄で待つのと大差ないのではないか。 誰だって、今日明日にも死ぬかもしれない。 わたしたちは、いつ死刑執行されるかもわからない毎日を暮らす虚むなしい存在なのではないか――。 死について考えるとき、関連する問題として、社会制度としての死刑の存在がある。 存続・廃止をめぐって世界中でいろいろな議論があり、日本でも世論が大きく分かれがちな問題、それが死刑制度だ。 死刑の最大の目的は「犯罪抑止」 死刑が求刑されるような事件のニュースに触れて、感情的に「許せない」と感じる人は多いと思う。卑劣な犯罪が行われ、なんの瑕疵かしもない被害者やその家族らの映像が出てくると、なおさら「犯人を早く死刑にしたほうがいい」「こんな人間は生きている価値がない」という感情を掻かき立てられる。 しかし現代法で