きょう10日は「世界死刑廃止デー」だ。NGO「世界死刑廃止連盟」(本部・パリ)が設定し、今年でちょうど20回目にあたる。世界では死刑の廃止が進むが、日本では毎年のように執行され、存廃を巡る議論も活発とはいえない。そもそも刑罰は何のためにあるのか。死刑を正当化する理由付けは。廃止デーに合わせ、死刑について考えた。(特別報道部・大杉はるか)
青山学院大大学院の福井義高教授=2013年12月9日、東京都渋谷区渋谷(瀧誠四郎撮影)今日の日本では、国家という暴力を独占する仕組みが確立され、警察や裁判所といった国家機関を通じて治安が維持されている。したがって、たとえ自分が犯罪の被害にあったとしても、自ら直接その不正をただすことはできず、実行すれば逆に処罰されてしまう。いわゆる自力救済の禁止である。 ≪自力救済禁止は条件つき≫ しかし、自力救済禁止は絶対ではない。そもそも、我が憲法の基礎にある古典的自由主義の観点に立てば、国家(ステート)あっての国民(ネーション)ではなく、国民あっての国家である。国家は我々が社会生活を送るうえで役に立つ手段ではあっても、国家のために我々が存在しているわけではない。
なぜ、日本は世界中で二か国としか犯罪人引き渡し条約が締結できないのか? 1 犯罪人引き渡し条約の締結状況 カルロス・ゴーン氏がレバノンに逃れたことから、ゴーン事件に関する報道の中で、日本がなぜ多くの国々と犯罪人引き渡し条約を締結することができないのかに注目が集まっています。 2016年現在、日本は2か国、フランスは96か国、イギリスは115か国、アメリカは69か国、韓国は25か国と犯罪人引渡し条約を締結しています。 2016年現在、日本が犯罪人引渡し条約を結んでいる国はアメリカ(日米犯罪人引渡し条約、1980年発効)と韓国(日韓犯罪人引渡し条約、2002年発効)の2カ国しかありません。 2 逃亡犯罪人引渡法の手続 これらの条約に基づく引き渡し請求がなされた際の日本国内の手続きは逃亡犯罪人引渡法で定められています。条約の相手国から国外逃亡犯の引き渡しを求める請求があると、外務省から東京高等検
国葬に反対する意見に「海外では普通にやってますがぁ?」とか「大多数は賛成ですがぁ?」などと言ってくるタイプの人の内少なくない部分は、「死刑制度は既に140ヶ国が廃止或いは事実上停止している」という話には「が外国の話は関係ねえし…」と言いそう。
無差別殺傷事件が起きた東京・秋葉原の交差点では26日、元派遣社員、加藤智大死刑囚(39)の死刑執行を知った通行人らが「償いは十分だったか」などと釈然としない思いを口にした。 14年前、多くの人が犠牲になった現場交差点では、雨が降りしきる中、ペットボトルの水を手向ける人もいた。埼玉県入間市の男性会社員(35)は、携帯電話のニュースで刑の執行を知り、「もう執行されてしまったのか。賠償や説明をもっとするべきだったのでは」と話した。 近くの企業に勤める坂田啓介さん(40)は「同世代が起こした事件で印象に残っている。現場が(会社の)近くというのは知っていた。改めて犠牲になった方の冥福をお祈りしたい」と神妙な面持ち。付近を通りかかった男性会社員(33)は「一方的に社会に恨みを持って他人を巻き込んだ点は、その後の京都アニメーション放火殺人事件や、安倍晋三元首相銃撃事件の元になったように感じる」と振り返っ
7月8日、奈良市で遊説中の安倍晋三元首相(享年67)が、銃撃されて殺害された事件の衝撃は、今も日本中を覆っている。現場で取り押さえられて逮捕された山上徹也容疑者(41)は、警察の取り調べに対して、犯行動機や事件で使用した手製の銃器の製造過程などについて、少しずつ供述を続けている。 SNS上には、山上容疑者が厳しく処罰されることを望む声も見られる。捜査も進行中であり、裁判になるのはまだ先とされているが、山上容疑者の量刑はどのようなものになるのか。元東京地検特捜部副部長で、衆院議員も務めた若狭勝弁護士はこう話す。 「個人的には厳罰に処すべきだと感じる部分はあります。自作の銃器を使用し、犯行に至るまでの計画性があり、非常に悪質な事件です。しかし、実際にこれまでの裁判の基準からすると、死刑になる可能性はあまり高くないと考えられます。 過去に、殺害した方法や殺害に至る経緯があまりにも残虐非道で、かつ
存続、廃止について答えが出ない死刑制度 誰もが最後は死ぬのなら、いま生きている期間は、いずれやってくる死を恐れながら監獄で待つのと大差ないのではないか。 誰だって、今日明日にも死ぬかもしれない。 わたしたちは、いつ死刑執行されるかもわからない毎日を暮らす虚むなしい存在なのではないか――。 死について考えるとき、関連する問題として、社会制度としての死刑の存在がある。 存続・廃止をめぐって世界中でいろいろな議論があり、日本でも世論が大きく分かれがちな問題、それが死刑制度だ。 死刑の最大の目的は「犯罪抑止」 死刑が求刑されるような事件のニュースに触れて、感情的に「許せない」と感じる人は多いと思う。卑劣な犯罪が行われ、なんの瑕疵かしもない被害者やその家族らの映像が出てくると、なおさら「犯人を早く死刑にしたほうがいい」「こんな人間は生きている価値がない」という感情を掻かき立てられる。 しかし現代法で
死刑制度の廃止を目指すとした日本弁護士連合会(日弁連)の宣言が会の目的を逸脱しているなどとして、京都弁護士会の南出喜久治(きくぢ)弁護士が日弁連などを相手取り、宣言の無効確認を求めた訴訟の控訴審判決が13日、大阪高裁であった。大島真一裁判長は、日弁連の宣言には法的な効果がなく、無効確認の対象ではないとした1審京都地裁判決を支持し、南出氏の控訴を棄却した。 日弁連は平成28年の人権擁護大会で「2020(令和2)年までに死刑制度廃止を目指す」との宣言案を採択。南出氏側は決議自体の違法性も主張していた。 判決は、日弁連が強制加入団体だということを踏まえても、現行の法律制度の改善に向けた意見表明は、一定の範囲で許容されると指摘。死刑制度の存廃は「弁護士活動そのものに関わる論点」で、宣言が所属する弁護士を拘束するわけでもないとして、決議が「違憲・違法なものとはいえない」と結論付けた。
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