自分が好きなのはものごとにきちんと向き合って悩んでいける人で、言いかえれば自分の頭でものごとを考えていける人だ。 そうした人々に相対する場合に限って言うなら、「誰かのために」行うアドバイスなんてのは誰のためにもならないのだな、と思うようになった。 彼らの舵は彼らが握っている。彼らには志向する針路があって、そのために自らの責任の下に一つの船を引き受けている。 舵取りというのは基本的には中長期の予測に基づいて行うものだと思う。とはいえ、非決定的な世界の流れを前もって完全に把握することはできないので、各々が持つ情報、知識、勘、その他いろいろによってあいまいに先のことを妄想していくことになる。 そうであったとしても、全く無思考でいるよりは情報を得て論理を組んで先を見た方が比較的予測精度は上向かせることができる。そういう前提のもとに、みんな様々なスパンで未来のことを考えている。老後の生活から明日の天