参院は5日午前の本会議で、政府が提示した6機関15人の国会同意人事案を採決し、内閣府の食品安全委員会委員に吉川泰弘・東大教授を起用する案を民主党など野党4党の反対で否決し、不同意とした。 預金保険機構理事など、ほかの14人の人事案は同意された。衆院は15人全員に同意しているが、人事案には衆参両院の同意が必要で、吉川氏の人事は白紙に戻った。 野党4党は、吉川氏が2005年、BSE(牛海綿状脳症)問題に関し、食品安全委のプリオン専門調査会座長として米国・カナダ産牛肉の輸入再開を条件付きで容認する答申案をまとめたことを「リスク評価の姿勢に問題がある」と批判していた。 吉川氏は委員に就任すれば、6月30日に任期満了となる見上彪委員長の後任に互選される予定だった。見上氏は新たな人事案が国会同意を得るまで、委員にとどまる見通しだ。