タイトルが良い。思春期特有の焦燥感だとか、反発感だとかじゃなくて、「落ち着きがない」。やるべきことはたくさんあるし、やりたいこともそこそこあるのに、どちらもぜんぜん手につかない。いつもそわそわしながら結局椅子から立ち上がることはない。死への欲動、タナトスというのは言い過ぎかもしれないけれど、無勉で迎えた試験前日に、「もうどうにでもなれ!」と自暴自棄のままベッドに潜り込むときに感じる背徳感と妙な恍惚感、あの感覚。落ち着きがない自分を楽しむというか、それ自体が青春なのだ。 「頼子ってクラスでは浮いてるっぽいけど、それは関係ないの?」 「今回は、ないんじゃない」クラスで浮いてるっぽいのは、図書部では頼子に限らない。 ここが、この小説で一番すごい部分だ。「文芸部」や「漫研」に入っている高校生は、たとえ「オタク」とまでは行かなくても、「クラスで浮いてる」存在である。それは誰でも知ってる。大前提だ。で
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