八ッ場ダム建設に伴う水没予定地に立つ高山彰さん。高山さんの自宅に近いこの地区には、かつて民家が建ち並んでいた=群馬県長野原町川原畑で2011年12月19日、奥山はるな撮影 群馬県長野原町で建設が進んでいた八ッ場(やんば)ダムをめぐる政府・民主党の迷走は22日、最終的に「建設再開」で決着した。「古里が水の底に沈む」。建設に反対する住民、やむなく受け入れた住民とも、ダム事業には痛切な気持ちを抱いてきた。「何のための2年間だったのか」。政治に振り回されてきた住民は怒りの声を上げた。 「なめるのもいいかげんにしろと言いたい。マニフェストに書いてあることは二度と信じない。ダムを造るくらいなら、東日本大震災の被災者に予算を回してほしい」 長野原町の公務員、高山彰さん(58)は22日、民主党政権がまとめた結論にこう憤った。一昨年夏の衆院選をきっかけに、問われれば、「ダム建設には反対だ」と公言するよう