『ジョー・ストラマー・アンド・ザ・レジェンド・オブ・ザ・クラッシュ』クリス・ニーズ著この記事の写真をすべて見る 『ジョー・ストラマー・アンド・ザ・レジェンド・オブ・ザ・クラッシュ』 クリス・ニーズ著 ●第15章 ザ・ランニング・マンより ジョーは、レコーディング・セッションとツアーによる心身の疲労が蓄積し、切実に休息を求めていた。1981年のツアーでは、彼自身のギターにステンシルで“俺は休暇を取るかもしれない”と刷りだしてさえいた。 翌1982年4月、彼はそれを実行に移し、19日にわたるイギリス・ツアーを目前にして姿を消した。 ジョーの失踪はそもそも、ツアー・チケットの売れ行きがスコットランドで悪いことを憂慮したマネージャー、バーニー・ローズの一計だった。バーニーはジョーに、所在確認の電話を常に入れつつ、しばらく姿を隠し、その間テキサスの友人ジョー・エリーを訪ねてはどうかと持ちかけていた。