1990年代に「島唄」を大ヒットさせたTHE BOOM(解散)のボーカリスト宮沢和史さん(50)が、沖縄民謡を録音して保存する活動に取り組んでいる。これまで訪ね歩いた唄者(うたしゃ、歌い手)は約250人。自らの音楽的ルーツともなった沖縄への感謝を込め、県内の学校などに、音源を「音の教科書」として寄贈する。 宮沢さんと沖縄民謡との出会いは、デビュー間もない90年ごろ。レコード会社の友人から、沖縄土産のカセットテープをもらった。「三線(さんしん)の音の感触が気持ちよくて、昼も夜も、寝ている間も聴き続けるほどほれ込んだ」と振り返る。 「本土の民謡というと労働歌を思い浮かべるが、沖縄の民謡は恋の歌も多い。昔の庶民が見た風景まで思い浮かんでくる気がした」 ぜひ生の音を、と現地を訪問した91年、ひめゆり学徒隊で生き残った女性から、沖縄戦での集団自決について聞かされ衝撃を受けた。「自分の無知に怒りがこみ