山形県河北町の溝延(みぞのべ)地区に伝わる食文化で、一口にちぎった餅を数秒でのみ込んでいく「餅飲み」が16日、地区の公民館であった。 地域の「餅好き」でつくる溝延一升宝餅保存会が、餅をかまずにのみ込む同地区の食文化を継承しようと、1990年から、年1回開かれる総会で披露している。 同会の40~80代のメンバー13人が参加した。持参した大皿に納豆、だししょうゆ、大根おろしの搾り汁などでつくった特製のたれを準備。付き人がつきたての餅をちぎって皿に置くと、わんこそばのように1個数秒でのみ込んでいった。 同会によると、納豆のねばりと大根の搾り汁で、餅が滑ってのみ込みやすくなるという。これまで、餅がのどに詰まる事故はなかったという。 参加した工藤益太郎さん(80)は「ことしも、のどごしがよくておいしい。苦しくなんてない。餅をかんだことは一度もない」と笑顔を見せた。 2014年03月17日月曜