少しでも誰かの力になりたいと誓ったあの日から、今も前を向いて走り続けている。 2016年4月、甚大な被害をもたらした熊本地震の発生から3年半。復興は進んでいる。だが、それでもまだ終わっていない。 「自分にできることをやってきただけ」 地震発生直後から避難所を駆け回り、苦しんでいる人たちに寄り添ってきた巻誠一郎は今、愛する故郷に何を思い、どんな未来を描いているのだろうか――。 (インタビュー・構成=野口学[REAL SPORTS副編集長]、撮影=たかはしじゅんいち) 「目の前に困っている人がいたら、まずはその人から助ける」 2019年12月、私たちが見慣れた格好とは違う装いに身を包んだ、巻誠一郎がいた。緊張からか、少しぎこちない笑顔で壇上に上がってトロフィーを受け取り、率直な思いを口にした。 「災害というものは、無いに越したことはないと思いますし、こういう場で僕が話すことではないと思うんです
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