共通番号制導入を狙う政府が推進するインターネットでの「電子申請システム」。導入後にほとんど使われず廃止になったり、システム開発が頓挫する例が少なくありません。政府が毎年1兆円を投じる「IT関連予算」のずさんな実態が浮かびあがってきます。(矢野昌弘) 旅券(パスポート)1枚を発行するのに行政側の経費が1600万円(外務省の電子申請旅券システム)。内閣府のオンライン申請1件につき374万円。新車登録のための自動車保有の一括手続き1件につき134万円…。 電子申請システムの維持に要した経費を利用実績で割ると、1件あたりの金額が、とんでもなく割高なものが少なくありません。 2000年のIT基本法にはじまった「電子政府の推進」。各省庁で、窓口での行政手続きをオンラインで利用可能にするため、システムの導入を図ってきました。 ところが結果はさんざんなものです。政府は昨年、電子申請で利用できる6973の手