自動で旋回する田植えロボット。人が乗っておらず、ハンドル上部にはGPSが搭載されている=茨城県つくば市の中央農業総合研究センター 人がいなくても自動で農作業を進めるロボットの開発を、茨城県つくば市の農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センターなどが進めている。後継者不足などで農業人口の減少が深刻化する中、人間の代わりにロボットが農場を動き回る時代が現実味を帯びつつある。 「ブロロ、ブロロ――」 同センターの実験用圃場(ほじょう)に、田植え機の音が響き渡る。一見、初夏の田園地帯を連想させるが、田植え機には人が乗っていない。自動で方向を変えながら等間隔で苗を植えていく。約30分ほどで、15アールの圃場は苗で埋まった。 これは10月初旬、同センターで開かれた農作業ロボットの実演会での光景だ。田植え機のほか、トラクター、コンバインなど農研機構が開発中のロボットを、農機具メーカー社