柔道指導者が練習中の事故で初めて刑事責任を問われた裁判の判決が先週、大阪地裁であった。大阪市内の柔道教室で、受け身の習得がまだ十分でない小学1年の男児に連続して足払いをかけて頭を激しく揺さぶり、後に死亡させたとして業務上過失致死罪に問われた男性指導者に対し、同地裁が下した判決は、求刑通り罰金100万円だった。 当初、大阪区検は略式起訴したが、大阪簡裁が「不相当」と判断して地裁に審理を移すという異例の経過をたどった裁判で注目を集めていた。裁判では柔道経験者である指導者は初めて児童を教える立場であったにもかかわらず、指導書を読んでいなかったことが明らかになった。 スポーツには明るく、華やかなイメージがあるが、常に危険と隣り合わせでもあることを改めて確認したい。格闘技である柔道は他競技に比べて危険度は高い。名古屋大の内田良准教授が主宰する学校リスク研究所によると、1983年度からの28年間で、学