厚生労働省がアルツハイマー病研究の国家プロジェクト「J―ADNI(アドニ)」のデータ改ざんを指摘する内部告発メールを研究チーム責任者に漏洩(ろうえい)した問題で、田村憲久厚労相は28日の記者会見で「告発として受け止めると、厚労省も調査に入らなければいけなくなる」と述べ、内部告発として扱わない考えを示した。 内部告発として受理すると、厚労省は公益通報者保護法施行に伴って政府が定めたガイドラインなどに従い、告発内容を調べなければならない。厚労相発言は国費約30億円が投入される国家事業の疑惑解明に後ろ向きな姿勢を示すとともに公益通報制度の根幹を揺るがすものだ。 厚労省はメールに加え告発者と2度面談し、改ざんの訴えを聞いた。告発者は朝日新聞の取材に「私は証拠書類を添えてデータ改ざんを内部告発したが、厚労省はもみ消そうとしている」と話す。
2013年は日本の水産資源減少が白日の下に晒された年であった。シラスウナギ(ウナギ稚魚)は銀価格を超える1キロ約300万円で取り引きされ、12月には中西部太平洋まぐろ類委員会が14年からのクロマグロ未成魚の漁獲枠削減を決めた。危機的状況にある魚は少なくない。 「日本は乱獲漁業を放置し、魚を減らしてきました。水産庁の仲間うちでは事態の深刻さを認識していましたが、発信してきませんでした」 自責の念に駆られている元水産庁職員が語ってくれた。「水産庁にも現状を憂える人は多いですが、業界団体、族議員が睨みを利かせており、改革は簡単ではありません。改革には外圧が必要で、消費者の声、つまり世論が最も有効な外圧です」 消費者が乱獲魚を購入しなければ、乱獲は自ずと減る。消費者の関心が高まれば、票になると踏んだ政治家が指揮をとって政治主導の改革へ繋がる。水産資源を守るためには「消費者意識の改革」がカギとなる。
細川護煕元首相と舛添要一元厚労相との事実上の一騎打ちとなる東京都知事選。 とりわけ告示直前、旧側近グループと朝日新聞の吉田慎一上席執行役員が示し合わせて引き起こしたクーデターによって空中分解してしまった細川陣営は態勢の立て直しが急務である。 23日、東京都庁前で小泉純一郎元首相が細川氏と並び立った初の街頭演説は、事前のアナウンスがなかったために聴衆はまばらで小泉劇場は不発に終わり、小泉元首相は激怒。これ一つとってみても、選対の主導権を握った旧側近グループの力不足は明らか。こうした凡ミスが続くようでは、自滅の道を辿ることになろう。 当初、細川陣営が描いていたのは“脱原発”一方を争点にした小泉元首相との2枚看板での選挙戦だった。ところが旧側近グループはこれを不満とする細川夫人を加えた3枚看板で戦うつもりのようだ。細川知事誕生後の小泉元首相の影響力を削ぐのが狙いだが、これでは“脱原発”の争点が惚
労働者派遣法の改正案が今国会に提出される見込みになり、派遣労働が大幅に拡大される方向になった。企業は3年ごとに派遣労働者を代えれば、どんな業務でも、ずっと仕事を任せられるようになる。派遣の固定化が進んだり、正社員から派遣への置き換えが進んだりする可能性がある。 厚生労働省の労働政策審議会の部会が29日午前、労使双方の意見を反映した最終報告をまとめた。厚労省は、最終報告に沿った改正法案を現在開会中の通常国会に出して成立させ、2015年4月に施行することを目指している。 改正法案の骨格となる最終報告では、企業は働き手を交代させれば、ずっと仕事を派遣に任せられることになった。 これまでは、秘書や通訳といった「専門26業務」は期間の制限なく派遣に任せることができたが、それ以外の業務では派遣を活用できる期間は「3年」が上限だった。この規制を緩和し、すべての仕事で、3年ごとに派遣労働者を代えれば、自社
安倍政権が教育委員会制度の見直しに本格的に乗り出した。安倍晋三首相は28日の衆院本会議で「現行の制度を抜本的に改革する」と表明。政治からの中立性を保ってきた教委の権限を自治体の首長に移し、政治主導の教育行政に変えるのが狙いだ。政権は3月にも関連法改正案を国会提出する構えで、実現すれば戦後教育の大転換になる。 自民党は28日、教委制度のあり方を議論する小委員会(委員長=渡海紀三朗・元文部科学相)を開催。自治体の教育行政の事務方トップである教育長について、教委が教育委員から選出する従来の方式を変え、首長が任命できるよう関連法の改正方針を確認した。教育行政に首長の意向を反映しやすくする狙いだ。 現行制度では、首長は予算編成や教育委員任命などで教育行政に関わるものの、実務は教育長が担う。教育長は多くが公務員出身で、教育関係者や民間から選出される場合もある。教科書採択や教員人事、学校での教育内容など
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