2023年3月18日、相模鉄道と東急電鉄を結ぶ新路線が西谷~日吉間に開業し、相互直通運転を始める。相鉄にとっては、19年11月に開始したJR埼京線との直通運転(相鉄・JR直通線)に続く、悲願の都心乗り入れ。神奈川県の県央部を走る相鉄沿線から都心へは横浜で乗り換えるのが一般的だったが、これによりアクセスが格段に向上する。ただ、東急沿線や都心から相鉄沿線へと向かうニーズは少ない。このため、首都圏では久々となる新線開業の割に、いまいち盛り上がりに欠けるのが現状だ。
大型開発プロジェクトで変貌しつつある東京。その注目エリアをピックアップし、地域の歴史や地形と絡ませながら紹介していく連載です。現地に残る史跡、旧跡のルポも交えて構成。歴史好きの人のための歴史散歩企画としてもお楽しみください。変貌する「ネオ東京」の“来し方行く末”を鳥瞰(ちょうかん)しつつ、その地の歴史的、地勢的特性を浮き彫りにします。 連載一覧はこちら 2020年3月14日、高輪ゲートウェイ駅が暫定開業した。山手線としては実に49年ぶり、京浜東北線では20年ぶりの新駅だ。 「高輪ゲートウェイ」とはなかなか付けられる駅名じゃない。山手線や京浜東北線の駅名の中でひときわ浮いているのは多くの人が賛同するところだろう。命名発表時にはいろいろ不満も出たようだし。 この長い名前がそのまま呼ばれ続けるとは考えづらいので、どう略されるんだろうと気になったりもする。「タカゲー」とか「ナワゲー」あたりだろうか
[かわなべ・いちろう]1970年生まれ。93年慶応義塾大学経済学部卒業後、米ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院でMBA取得。マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパンを経て2000年に日本交通入社。05年、同社社長に就任。15年、社長を務めていたIT子会社の日交データサービスをJapanTaxiに改称、日本交通会長に就任。全国ハイヤー・タクシー連合会の会長を務める。 問 最近、都心ではなかなかタクシーを拾えませんよね。夕方の時間帯は特にひどい。高い料金を払ってでも乗りたいビジネスマンは多いと思うのですが、運賃を変えるのは難しいのでしょうか。 答 10月から国土交通省と始めた実証実験の狙いは、まさにそれです。まずはタクシーを呼ぶ際の迎車料金を変動させようという試みです。
全国に約170のホテルを展開し、約3万5000の客室数を誇る日本最大級のホテルチェーン、アパホテルズ&リゾーツ。2010年から「SUMMIT5(頂上戦略)」と名付けた5カ年計画を掲げ、猛烈に拡大路線を突き進んできた。現在は「第2次頂上戦略」を実行中で、20年までに客室数10万を目指している。 派手な装いでテレビでもおなじみの元谷芙美子・アパホテル社長と、その夫としてグループ全体を統括する元谷外志雄・アパグループ代表は、その徹底した効率経営でホテル業界に革命を起こしている。 だが、その効率重視の姿勢は、顧客満足度という観点では厳しい評価にさらされている。今回、航空会社とともに主要ホテルの顧客満足度も調査した。その結果、アパホテルはビジネスホテル部門で前回の12年調査から大きく順位を落とした。 ホテルについては客室、共用部、接客サービス、コストパフォーマンスの4項目で評価を聞いたが、アパホテル
ドライバーが不要な自動運転車が普及したとき、タクシーはどうなるのか。業界の存続をかけて動いているのが、都内タクシー大手、日の丸交通の富田和孝社長だ。自動運転ベンチャーのZMP(東京・文京)と提携。自動運転タクシーの実証実験を計画するなど積極的に動く富田社長に話を聞いた。(聞き手は庄司 容子) ドライバーなしで走行できる完全自動運転車の開発が進んでいます。タクシー業界にはどんな影響がありそうでしょうか。 富田和孝社長(以下、富田):タクシー業界は自動化に対して、やはり賛否両論があります。それでも私は、自動運転タクシーがタクシードライバーを守ると思っています。 単純に考えると、雇用が失われるように思いますが。 富田:タクシー業界は今、人手不足です。ドライバーの平均年齢は年々上がっていて、都内では今58歳になっています。私どもは新卒だけでなく、外国人や女性の採用も積極的にやっていて、何とか人手を
昨年10月、九州旅客鉄道(JR九州)は、本州のJR三社から遅れること約20年で上場を果たした。 同社の鉄道事業は、豪華寝台列車「ななつ星in九州」をはじめとするユニークな列車で特色を打ち出し、非鉄道事業ではマンション開発やホテル、外食、ドラッグストアなどで稼ぐ力を蓄えてきた。非鉄道事業は、2015年度で連結売上高の6割以上を占めており、その比率はJR貨物を除くJRグループの中で最も高かった。 そんなJR九州は、駅周辺の街づくりという観点でも、独自の進化を続けてきた。核となるのは駅ビルだが、単なる商業施設にしないように試行錯誤してきたのだ。ただでさえ駅ビルはその立地の優位性から集客しやすく、周辺の商店街の顧客を奪うなどして、独り勝ちになりがちだ。 2015年に開業した大分駅の「JRおおいたシティ」は、その中にあるテナントを見ると、首都圏の駅ビルと比べても目新しさはあまり感じない。「ユニクロ」
開発されてきた駅前を森林に戻す──。千葉県のローカル線、小湊鐵道は、古い列車や駅舎を使い続けて、静かに人気を集めてきた。時代の流れに抗うかのような企業は、創業100年目を迎え、ついに「逆開発」に乗りだした。(下の動画をご覧ください) 今年3月、千葉県市原市の山間部にある観光の玄関口、養老渓谷駅。駅前のロータリーにショベルカーが入ると、工事関係者や鉄道職員が見つめる中、ついに歴史的な工事が始まった。 「逆開発」 駅前のアスファルトを、ショベルカーがうなりを上げながら剥がしていく。そして、土が姿を現すと、小湊鐵道の社員が土地をならし、木や花を植える。使い古した鉄道の枕木が運び込まれ、土に埋め込んで散策の道が作られていった。さらに、枕木を積み上げた「ウッドベンチ」も設置される。 「靴が汚れるじゃないか」「せっかく舗装した道を、なぜカネをかけて壊すんだ」 当初は批判の声も漏れてきた。駅舎の前にあっ
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