東日本大震災で、仙台市内の丘陵部を造成した宅地が深刻な地滑り被害に見舞われている。 市内31か所の約2100戸が被災し、敷地に大きな穴が開いたり、壁に亀裂が走ったりしている。地盤が不安定なまま住み続けることは難しく、市は集団移転も検討している。 市によると、被害は1950〜60年代に造られた団地が大半を占め、仙台駅の半径5〜6キロ圏内に広がっている。当時は、宅地造成に関する規制が緩く、工法も古かったため、斜面の表土を剥いで盛り土し、住宅を建てた例が目立つという。 斜面はモルタルで補強するなどしたが、劣化が進み、震災時の大きな揺れや余震で盛り土が滑ったとみられる。 同市太白区緑ヶ丘4丁目にある「緑ヶ丘第4町内会」では、全190戸のうち189戸で地滑り被害が確認され、69戸が全壊した。民家の壁や塀が傾き、道路は1メートル近く沈下。市は、104世帯に避難勧告を発令した。 約40年前から住んでいる