本稿は、リアルコムが発行するPR誌「VISION」に掲載された記事「情報マネジメントがもたらす個と組織の能力向上」に加筆・修正を加えたものを、許可を得て転載したものです。 前回は次世代の情報戦略として、「情報マネジメント」の概要を解説した。それでは、情報マネジメントとは具体的にどのようなものなのだろうか。ここではまず具体事例として三菱東京UFJ銀行※の事例を紹介していく中で、情報マネジメントの全体像を説明していきたい。 三菱東京UFJ銀行の決意 1990年代後半以降、日本の大手金融機関はバブル経済の「負の遺産」である不良債権の処理に追われ、守りの統廃合を続けてきた。その中にあって、三菱東京UFJ銀行はいち早く不良債権処理にめどをつけ、グループ再編による経営の効率化を進めるなど、唯一攻めの姿勢を貫くメガバンクといえる。 そうした同行がいま、強力に推し進めているのが、「旧来からの中央集権的な意