『年次改革要望書』というものがある。そういうものがあるということを、関岡英之著『拒否できない日本』文春新書(2004)を読んで知った。『年次改革要望書』とは、日本の各産業分野に対してアメリカ政府が機構改革や規制緩和などの要求事項を通達(「提出」でも、「要望」でもなく「通達」が正しい)する文章である。ただの外交文章ではない。ここでアメリカ政府から要求されたことは、日本の各省庁の各担当部門に割り振りられ実行されていく。そして、この要求が実行されたかどうか、日米の担当官が定期的に会合を持ち、チェックする仕組みになっているという。さらに、この文章を毎年、日本政府に通達するアメリカの通商代表部は、毎年アメリカ議会から勤務評定を受ける。つまり、通商代表部としては、日本政府が実行しないと自分たちの評価が下がるので、いかなる圧力をかけても日本政府に実行を求めなくてはならない。 例えば、最近各大学で創設され
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