常盤新平(第96回 昭和61年/1986年下半期受賞) 苦しんで小説を書いたのに、直木賞をとったら何か裏があるんじゃないかと疑われる、ザ・「朴訥にして狡猾」。 常盤新平。『遠いアメリカ』(昭和61年/1986年8月・講談社刊)で初候補、そのまま受賞。同連作「遠いアメリカ」での小説家デビューから1年半。55歳。 常盤新平さんの人柄について語られたものを読んでいると、印象に残るこんな言葉が出てきます。 「朴訥にして狡猾」。 直木賞を受賞した『遠いアメリカ』でも、この表現が使われていましたね。 主人公の重吉に対して、恋人の椙枝が言うセリフ。 「あなたって、気が弱そうで、人がよさそうに見えて、そのくせ、案外、図々しくて、狡いところもあるの。つまり、朴訥で狡猾」(昭和61年/1986年8月・講談社刊 常盤新平・著『遠いアメリカ』所収「アル・カポネの父たち」より) 常盤さんが「朴訥で狡猾」と指摘された
日本で最も有名な大衆文芸賞「直木賞」の非公式サイト「直木賞のすべて」を、インターネットの片隅で細々と運営しつづけていますが、直木賞に関することだけでブログをやってみたらどんな感じになるか、ちょっと興味がわいたので、やってみます。 ここしばらくは、直木賞について多少なりとも触れられている関連書籍を、ワタクシ自身の備忘録がわりにアップしていく予定です。 『星新一 一〇〇一話をつくった人』最相葉月(平成19年/2007年3月・新潮社刊) 日本のショートショート界に燦然と輝くただひとつの一等星、ミスター・ショートショート、星新一の本格的評伝としてたった今おそらく話題の書なわけです。 SFでは直木賞をとれない、直木賞はSFを長い間評価してこなかった、ナドナド言われつづけ、小松左京だの筒井康隆だの半村良のSF作品(『黄金伝説』「不可触領域」)だの広瀬正だの田中光二だの山田正紀だの新しいところでは三崎亜
日本で最も有名な大衆文芸賞「直木賞」の非公式サイト「直木賞のすべて」を、インターネットの片隅で細々と運営しつづけていますが、直木賞に関することだけでブログをやってみたらどんな感じになるか、ちょっと興味がわいたので、やってみます。 榛葉英治。『赤い雪』(昭和33年/1958年2月・和同出版社刊)で初候補、そのまま受賞。「渦」でのデビューから9年半。45歳。 ところで、榛葉英治さんってご存じですか? ここ最近うちのブログでは、よく知られている受賞作家をかなり意識的に取り上げてきました。しかしそろそろ、我慢の限界です。ワタクシの一種の病気である「忘れられた作家に光を当てたいぜ」熱がおさえられません。そこで、今日はこの方。榛葉さんです。 榛葉さんが今、「誰それ?」な領域に追いやられているのは、無理もありません。生前から、彼のキャッチフレーズといえば「地味」だったからです。 たとえば約18年前の書評
日本で最も有名な大衆文芸賞「直木賞」の非公式サイト「直木賞のすべて」を、インターネットの片隅で細々と運営しつづけていますが、直木賞に関することだけでブログをやってみたらどんな感じになるか、ちょっと興味がわいたので、やってみます。 毎日暑いですね。今年の夏は例年に比べて暑い日が多いらしいです。7月14日(木)はどんな天気になるんでしょうか。 ……って、「直木賞専門ブログ」の分際で、ガラにもない書き出しをしてしまいました。第145回(平成23年/2011年・上半期)の選考会まであと4日、大事なときです。それなのに、どうして天気のハナシなどしてご機嫌をうかがっているのか。 夏がくるとつい思い出すメールがあるからです。 直木賞に関するサイトとかやっていますと、ほんの時たま見知らぬ方からメールをいただくことがあります。3年前の7月のことでした。「直木賞予報士」と名乗る方から、一通のメールが寄せられま
日本で最も有名な大衆文芸賞「直木賞」の非公式サイト「直木賞のすべて」を、インターネットの片隅で細々と運営しつづけていますが、直木賞に関することだけでブログをやってみたらどんな感じになるか、ちょっと興味がわいたので、やってみます。 直木賞は、とれなかったとしてもネタになる。とは、よく聞くことです。 うちのブログでも、直木賞に縁遠かったグループのことを何度か取り上げてきました。冒険小説。とれない。SF。とれない。推理小説。とれない。 ……で、上記のようなジャンル(あるいは、それを主に書く作家たちのグループ)はまだいいのです。いいと言いますか、傷が浅いと言いますか。とれなかったことを逆に利用して、作家自身がエッセイで毒づいたり、熱い読者たちがそれに呼応して、「直木賞め、なにくそコノヤロ」と声をあげたり。そうやって、語り継がれていってくれるからです。 直木賞の初期のころにも、じつはそんなグループが
日本で最も有名な大衆文芸賞「直木賞」の非公式サイト「直木賞のすべて」を、インターネットの片隅で細々と運営しつづけていますが、直木賞に関することだけでブログをやってみたらどんな感じになるか、ちょっと興味がわいたので、やってみます。 去る1月5日、第144回(平成22年/2010年・下半期)の直木賞候補作5作が発表されました。17日(月)の選考会が、刻一刻とせまってきています。 昨年6月より、うちのブログでは毎週、「直木賞のライバルたち」と題するくくりで、さまざまな文学賞のことを取り上げています。今日は、その番外篇です。 ネットが生んだ「直木賞のライバル」……。と評してしまいましょう。文学賞のなかでもとくに直木賞・芥川賞をイジくり倒す企画、「文学賞メッタ斬り!」です。 少し歴史をおさらいします。 文学賞のライバル、いや逆に援護射撃にもなり得る存在として、昔から「文芸評論」を軸とした文芸・文壇ジ
日本で最も有名な大衆文芸賞「直木賞」の非公式サイト「直木賞のすべて」を、インターネットの片隅で細々と運営しつづけていますが、直木賞に関することだけでブログをやってみたらどんな感じになるか、ちょっと興味がわいたので、やってみます。 すっかりおなじみになりました。年に二回、ほとんど権威とは無縁のところで開催されている文学賞「逆・直木賞」。今回の平成22年/2010年・下半期で第144回を迎えます。 既報のとおり、今回の候補作(平成22年/2010年6月~11月に発表された小説)は下記の9作品が選ばれました。文学ファン……いや、文学賞ファンのあいだで早くも、誰がその栄冠に輝くのか、下馬評が飛び交っているので、ごぞんじの方も多いはずです。 ■第144回逆・直木賞候補作品 浅田次郎 『終わらざる夏』(上)(下) 平成22年/2010年7月・集英社刊 阿刀田高 『闇彦』 平成22年/2010年7月・新
日本で最も有名な大衆文芸賞「直木賞」の非公式サイト「直木賞のすべて」を、インターネットの片隅で細々と運営しつづけていますが、直木賞に関することだけでブログをやってみたらどんな感じになるか、ちょっと興味がわいたので、やってみます。 文学賞とは、ひとつの「文壇ドタバタ劇」である。……という観点からすれば、直木賞なぞ甘い甘い。この夏目漱石賞のドタバタ・パワーに比べたら、とうてい足もとにも及びません。 もしも、文学賞の世界を愛する人たちを対象に、「大好きな文学賞」アンケートをとったなら。当然、漱石賞はトップ5には入るかもしれないわけです。 いや、じっさい、ワタクシごとき直木賞厨にとっても、また別の理由で、どうしても避けて通れない賞なんですよ。 直木賞史に名を残す一人の作家が、ここに深くからんでいるからです。 【夏目漱石賞受賞作・候補作一覧】 と、当たり前のようにハナシを続ける前に。「なになに? 夏
日本で最も有名な大衆文芸賞「直木賞」の非公式サイト「直木賞のすべて」を、インターネットの片隅で細々と運営しつづけていますが、直木賞に関することだけでブログをやってみたらどんな感じになるか、ちょっと興味がわいたので、やってみます。 祝30周年。冬だか夏だか知らないけど、艱難辛苦をのりこえて、ついに三十路の域に。いやあ、めでたいなあ。人生これからが楽しいのだよ。 それで、日本SF大賞とくれば、直木賞とは水と油ですもん。こんなブログで書くより他に、いーっくらでも詳しい方はいます。……と言いますか、この賞を「文学賞」のくくりで語ろうだなんて、peleboよ、お前の頭も固いのう、と笑われちゃいそうです。 【日本SF大賞受賞作・候補作一覧】 んだんだ。この賞を文学賞と呼んじゃいけないのだ。 とかく文学賞は、地盤が固まるまでのあいだは、あっちこっちにアンテナを張り巡らせるもの。 って仮説は、ちょっと無理
日本で最も有名な大衆文芸賞「直木賞」の非公式サイト「直木賞のすべて」を、インターネットの片隅で細々と運営しつづけていますが、直木賞に関することだけでブログをやってみたらどんな感じになるか、ちょっと興味がわいたので、やってみます。
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