地面に生育するイシクラゲ。食用にもなる。一見すると海藻のようだが、実は食の観点から生物進化を捉えると、重要な位置にあることが分かる。 私たちが日ごろ食べているもののほとんどは生物である。そして、多くの食材の直系の祖先は私たち人類より先に地球上に現れている。なぜヒトは「その食材」を食べることになったのか。その疑問を解くカギは、この地球上でヒトと生物がたどった進化にある。ふだん何気なく食べているさまざまな食材を、これまでにない「進化の視点」で追っていく。それぞれの食材に隠された生物進化のドラマとは・・・。 水はけの悪い屋上や空き地に、苔とは違った光沢のあるゼラチン状の物体が大発生していることがある。それは十中八九、「イシクラゲ」という生物である(冒頭写真)。水分があるうちは非常に滑りやすく、乾くと汚泥のような見た目なので、一般的には駆除の対象となる。 ところが、このイシクラゲ、なんと食べること