長谷川白紙。 話題の新人である。初CD『草木萌動』がリリースされたばかり。リリース直後に20歳を迎えた現役音大生だという。YMOの「Cue」のカバーを含む全6曲25分弱。ストリーミング配信全盛の時代、フルアルバム1枚をじっくり作る/聴くという行為が時代にそぐわなくなりつつある今、ちょうどいい曲数でありサイズと言えるだろう。そしてそこで鳴る音は、鮮烈の一言である。空恐ろしいほどの才能。「アンファン・テリブル」という手垢にまみれた言葉が頭をよぎる。 カオティックなようだが「歌」という筋が一本通っている 2016年ごろからSoundCloudにアップし始めた音源が注目を集め、17年にフリーEP『アイフォーン・シックス・プラス』をデジタル・リリース、BOMIと入江陽の楽曲『ナニカ feat. 長谷川白紙』に参加、Maison book girlのリミックスも手がけた。楽曲制作にまつわるテクノロジー