わたしたちが光の速さで進めないなら 作者:キム・チョヨプ発売日: 2020/12/03メディア: 単行本(ソフトカバー)2020年は10年の区切りということもあって素晴らしいSF短篇アンソロジーが多数刊行され、SF短篇集も豊作だったのだけどここにきてまた凄いSF短篇集が刊行された。韓国の作家キム・チョヨプによる『わたしたちが光の速さで進めないなら』だ。 1993年生まれで本書(原書は2019年刊行)がデビュー作とバリバリの新人なのだけれども、技術的には円熟の域だ。ファースト・コンタクトあり、言語SFあり、コールドスリープ、マインドアップロードあり、テクノロジーによって変容していく人間の姿や社会を描き出していくサイバーパンク的な要素も各作品に共通していて──と、SFでは定番のネタを毎回「こう演出するのか〜!!」と驚かせてくれた。 毎回読後には現代の物語、感覚だな……と納得させてもくれ、凄い凄