Blue あなたとわたしの本 211 人と外で会っていて家に帰ってくると、「あぁ、あの言い方はあの人を傷つけてしまったんじゃないだろうか」と考えてしまうことがあります。あるいは、「あの言葉じゃなかった。こっちの単語を使ったほうが彼を勇気づけることができたのに」とか、「彼女を慰めてあげることができたんじゃないか」と思うこともあります。 そんなとき僕は、文章を書きたくなります。文章という「居場所」へ戻りたくてたまらなくなるのです。 文章のいい点は、推敲できるところです。伝えたいことに可能なかぎり近づくよう、何度も何度も書き直せるのです。そうしても誤解を与えることや、傷つけてしまうことはあります。でも人と直接対話するよりかは、誤解を与える可能性は少ないはずです。然るべき時間をかけて、推敲したならば。文章のそういうまどろっこしくも心を尽くせるところが、僕は好きなのです。 文章を書く行為が、僕の「居