騒ぎだけがヒステリックに大きくなっているので、まず事実関係をちゃんと把握する必要があると思い、「美味しんぼ」の第604話や、単行本第110巻「福島の真実」を読んだ。感想としては、地に足の着いた直接取材に基づく、一次情報としての現実描写であるということ。その冷徹で忠実な客観性は、殆どドキュメンタリーのそれである。 福島の農家がいかに安全基準をちゃんとクリアすることに苦心し、おいしい農産物を売ろうとしているかを活写している。さらに第110巻では、業者の買い控えにより財政的な苦境に陥っている農家を描き、その真の原因は、福島第一原発から今も漏れ続けている放射性物質であると、山岡士郎・海原雄山らキャラクターの弁を借り、痛烈な批判をしている。
![「美味しんぼ」の鼻血問題:敵を見誤ってはいけない](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bc2f7c15e07b9108abe086a1130db9042626040d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimg.huffingtonpost.com%2Fasset%2Fdefault-entry.jpg%3Fops%3D1200_630)