1930年代から約70年にわたり、アマチュア写真家として東京のありのままを撮り続け、2007年に惜しくも亡くなった写真家・桑原甲子雄(くわばら きねお)。数々のカメラ雑誌で編集長を歴任し、荒木経惟や東松照明を見出した名編集者としても知られる彼の足跡を辿った展覧会『桑原甲子雄の写真 トーキョー・スケッチ60年』が、世田谷美術館で開催されています。 戦前の東京の街や風俗などをごく自然に写し取ったその作品は、歴史的資料としても貴重なものばかりですが、それらを「ごく私的な記念写真」と語り、あくまでアマチュア写真家としての姿勢を崩さなかった桑原が見た東京とはどんな世界だったのでしょうか? 今回は、建築設計から、チェルフィッチュなどの舞台美術、さらには『空気の器』などのプロダクトデザインまで手がけるトラフ建築設計事務所代表・鈴野浩一さんとともに、建築家 / デザイナーの視点から、桑原甲子雄の写真、そし
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