いやしかし、いま、このタイミングで縦スクロールのマンガを読まないのは、この時代に生きている意味がないんじゃないかくらいの機会損失だと思うんですよ。歴史が生まれる瞬間を見逃しちゃうの? くらいのことだと思うんです。いま目の前で歴史が作られている! のでは?? ということであります。 手塚治虫が、マンガ文法を発明しながらマンガを描いていたようなことが、いま縦スクロールのマンガでは起こっているかもしれない、と。表現手法の発明ラッシュが起こっているんじゃないのかと。
ベジータについて書きはじめた時、孫悟空は空白だと書いた。その意味を考察しなければならない。「空白」とはどういうことなのか。孫悟空という男は、いったい他の人間となにが違っているのか。孫悟空とは何者だったのか。 孫悟空について考えるには、「この男には何があるのか」ではなく、「この男には何がないのか」を見たほうがいいと私は考える。普通の人間がもつ色々なものが悟空には欠けており、その欠落こそが悟空という男の個性を形作っているからだ。 (悟空とは何者なのか。『ドラゴンボール』35巻3ページ) 悟空には「帰属意識」がない ベジータは悟空に、「サイヤ人の生き残り」としての同胞意識を持っている。ピッコロが神と融合してすさまじい力を得た時、ベジータは心のなかで悟空に語りかける。 「どいつもこいつも…!! 宇宙一の超サイヤ人をあっさり出し抜きやがって…!! アタマにくるぜ…!! なあカカロット…」 非常にベジ
『ドラえもん』はとにかく読むのが疲れる 伊藤ガビン まず最初に僕の方から説明しておくと、この連載は藤子・F・不二雄先生の『ドラえもん』(てんとう虫コミックス版)を全巻読んで、菅さんとレビューして行こうというものですね。なのでネタバレを大量に含みますので、ご了承ください。ということで。 菅俊一 はい。 ガビン なんでこういうことをすることになったかというと、菅さんに「最近マンガ読んでますか」みたいなことを聞いたら、「『ドラえもん』を全巻読み返してるんですよ」って言ってて、え、なにそれ面白そうだから僕も読みますよ、その話しましょうよ、みたいなことになったんですよね。 で、そもそもでいうと、菅さんはなんで『ドラえもん』読み返すことにしたんですか? 菅 あ〜〜〜〜〜。僕、10年くらい会社で働いてたことがあったんですよ。 ガビン 玩具メーカーですね。 菅 その時にデスクにずっと置いてあったんですよね
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