2011年6月5日のブックマーク (4件)

  • 102.8. 研究者の情報発信はどうだったか?./note103.html

    102. 福島原発の事故その6 (2011/5/29-6/10) 相変わらず原発の話です。 その5 101 から1ヶ月、事故から2ヶ月半たって、事 態の収束にむけて何か進展があって欲しいところですが、残念ながら具体的な 動きはなにもありません。 102.1. 原発はどうなっているの? 一言で言えば、どうにもなっていません。相変わらず、核分裂生成物から出る 熱で燃料が高温になって、火災になったり爆発したりするのを防ぐために とにかく水をいれて冷やしているわけです。もっとも、3ヶ月近くたったので、 発生する熱量は熱出力の 0.1-0.2%程度までさがっています。停止の1時間後に は 1-2% あったので、その頃に比べると 1/10 になっているわけです。 なお、減少のしかたは段々ゆっくりになって、1年後は現在の半分程度、 2年後でさらに半分程度、となるはずです。 計算機でいうと完成時の次世代ス

  • 2011-05-04

    チェルノブイリで当にセシウムの内部被曝を人間で実測した私の知っている二つの例のうちの一つで、オーストリアで実際に人間の筋肉からセシウム137を測った論文があります(J Nucl Med 32:1491, 1991)。これは、素晴らしい論文。 この論文では、25-35 kBq/m2のセシウム137の降下があった、オーストリアのグラッツでのもの。300体の検屍体から、筋肉中のセシウム134、セシウム137、それと天然にあるカリウム40、この三つを、チェルノブイリ事故が起きた1986年4月の後の7月から開始して、1990年7月まで4年間行いました。 だいたいの傾向では、セシウム137は、87年1月頃に100Bq/kgのピークに達し、ゆっくり下がって、89年1月頃には20Bq/kgとなった。 セシウム134は同様に、87年1月頃に30Bq/kgのピークに達し、ゆっくり下がって、89年1月頃には、

    2011-05-04
  • 放射線の健康に対する影響の「語り方」:リスクの受容 - 粂 和彦のメモログ

    昨日で地震から2ヶ月。福島原発の事故は、今日になって1号機の炉心がほぼ完全に露出していると初めてわかるなど、不確定要素がありますが、とりあえず今の状態が徐々に落ち着くことを期待して、長期的に今後を考える時期でしょう。その中で、放射線被曝の影響については、どのように語るか、危険をどう受け入れるのかという段階かと思います。 私は、「ほどほどの努力でできる範囲で、被曝線量を減らして、あとは、あまり心配し続けないで、生活を続ける」という原則(ALARA: as low as reasonably achievable)を支持します。そのためには、ネガティブな情報は正しく解釈して、ポジティブな情報も積極的に考えたらよいと思います。 知人のジャーナリストの藍原寛子さんが、京大の小出先生にインタビューしましたが(番組情報は文末に)、その中で、小出先生が、以下のように話していました。 「20mSvは、大人

    放射線の健康に対する影響の「語り方」:リスクの受容 - 粂 和彦のメモログ
  • 放射線リスクの言説再考:牧野淳一郎さん、押川正毅さんの記事へのコメント - 粂 和彦のメモログ

    Kazuhiko Kume @ Nagoya City University メモや意見をあれこれと・・・ (コメント、TB歓迎です。反映までは、しばらくお待ちください) 国立天文台の牧野淳一郎さんの最近の記事を、非常に興味深く読みました。 先日読んだ「なぜ科学を語って、すれ違うのか」を思い出しました。このについては、またまとめて書きたいですが、ソーカル事件後の話に触れて、いかに「科学」が「社会的に構成される面があるか」をわかりやすく書いています。 さて、これまでも牧野さんのブログは、被曝量計算などで何度か読ませて頂いていて、ぼくは高く評価しているので、みなさんにも他のエントリーを含めて全体をお読み頂きたいと思います。ただ、今日は敢えて異論を書いてみます。 まず、「102.8. 研究者の情報発信はどうだったか?」の中に、今回の事故後の情報発信の特徴に、「正常性バイアス」があったという点は

    放射線リスクの言説再考:牧野淳一郎さん、押川正毅さんの記事へのコメント - 粂 和彦のメモログ