マスコミが労働環境の悪化を話題にするとき、非正規雇用の悲惨さを扱う一方で、必ずセットのように正規雇用も過酷だといった話を対比として持ち出す、と以前書いた。その手の文章が、朝日の記事に現われたのでそれを端緒に正規雇用の長時間労働の問題を考えたい。正規・非正規雇用の間にある問題を「劣化する労働条件」なる切り口で等号で結ぼうとする今どきのマスコミの発想の貧困さにもメスを入れたい。 ■asahi.com:劣化する労働条件 - 経済気象台 - ビジネス http://www.asahi.com/business/column/OSK200701200009.html 労働時間の国際比較を見てみよう。週50時間以上働いている労働者が日本28%、アメリカ20%、イギリス15.5%、ドイツ5.3%、フランス5.7%、イタリア4.2%である。 次に年間休日数は日本がアメリカと同様で127日、イギリス137日