3年以内に倒産、これはムリだと思った 「ゴホンといえば龍角散」 この懐かしいフレーズを覚えている方もいるでしょう。伝統薬の龍角散は1797年に作られ、1871年に創業(会社設立1928年)の非常に長い歴史を持つ製品です。秋田・久保田藩の製品を全国に販売し、テレビの黎明期からCMを打つなど全国的な知名度を持つ製品に成長を遂げていきます。 ところが1970年代からジリジリ売上が減少、伝統と知名度のある製品ゆえに、社内の危機感は薄いままに時間が過ぎていきます。8代目、現在の藤井隆太社長が就任した頃(1995年)には、負債が40億円と年間売上とほぼ同額に達している状態でした。 小林製薬や三菱化成で実務経験を積んでいた藤井氏は、財務状況を見て「5年以内、早ければ3年で倒産する」と判断します。それほど事態は切迫していたのです。 広告を打ってもオリジナルの龍角散(パウダー状)は売れず、役員会では「商品寿