生活保護を受給していた奈良県大和郡山市の女性(47)が、次女が市役所を訪れた際、職員から書類名を隠したまま生活保護の辞退届を記入させられ、保護費を打ち切られたとして、市を相手取り慰謝料150万円の支払いを求めて奈良地裁に提訴している。市は女性の抗議に取り合わず、辞退届の開示請求も当初は拒否するなど不誠実な対応を続けたという。近年は生活保護受給者の増加や不正受給の横行が自治体の財政を圧迫。これに対し自治体が窓口で受給を一方的に阻止する「水際作戦」も問題となっており、今回の大和郡山市の対応に保護費をめぐるこうした背景を指摘する声もある。(山本考志) 職員に囲まれ 訴状などによると、女性の20代の次女は平成19年3月5日、生活保護を担当する同市厚生福祉課に保護費を受け取りに訪れた際、職員に「ちょっと話したいことがある」と言われ、課内の奥にあるパーテーションで区切られた別室に通された。 次女はそこ