円覚寺三門(山門) 円覚寺は正式には瑞鹿山円覚興聖禅寺といい鎌倉五山の第二位、鎌倉を代表する歴史と権威を持つ寺院の一つである。 円覚寺の歴史 円覚寺は弘安五年(一二八二)、執権北条時宗により、文永の役の戦死者供養を目的に南宋滅亡後に来日した禅僧無学祖元を開山として創建された禅寺である。 無学祖元(一二二六~一二八六)で名高いのは「臨刃偈(りんじんげ)」の故事である。一二七六年、祖元は温州の能仁寺に住していた。当時破竹の勢いで南宋に侵攻していた蒙古軍はその能仁寺にも侵入して僧侶たちに刀を突きつけてくる。そのとき祖元が立ち上がり、蒙古兵たちにこう「偈」(仏の教えや悟りを韻文で詠んだもの)を説いたとされる。 乾坤(けんこん) 孤?(こきょう)を卓(た)つるに地なし 喜び得たり 人 空にして 法もまた空なるを 珍重す 大元 三尺の剣 電光影裏に 春風を斬る (奥富P55) 『この世には、一本