これは讀めるが…。 「いろは」、『竪一行双幅』部分 昔から好きだった良寛(Ryōkan Taigu, 1758–1831)の書を入口に「断絶」の彼方にある「旧字旧かな」の世界に入って行こうとしている自分がいる。 良寛の「脆弱を恐れず、寂寥を忘れず」の生き方と「切実」の思想についてはこの人の話を聞くのがいい。 松岡正剛の千夜千冊『良寛全集』(上下)良寛 私が何の疑いも持たずに空気のように吸い込み、水のように飲んでいる、現代の日本語表記には、わずか60年余りの歴史しかない。時枝誠記(ときえだ もとき、1900年–1967)*1を恩師にもつ築島裕(つきしま ひろし、1925年生まれ)は『歴史的仮名遣い』(中公新書、1986年、asin:4121008103)でこう書いている。 昭和21年11月、第二次世界大戦が終わってわずかに一年余、東京の町は、まだ焼け跡にトタン板のバラックが建っているようなこ