峠を越え森を抜け、ゴールを目指す「徳川家康追跡マラニック」の参加者ら=梅田育夫さん提供井上博方さん 関ケ原、本能寺など歴史上の舞台となった名所・旧跡を走るマラソン大会が人気を集めている。峠を越え、あぜ道を走るなど過酷なレースだが、バスやタクシーを使うことも可で、あくまで歴史と走りを楽しむイベント。自分のペースで走る「マラニック」(マラソンとピクニックを合わせた造語)の一種だ。大会は約20年前に3人で始まったが、武将ブームも相まって、多い時は約250人が参加する人気レースに成長した。 企画・運営をしているのは京都府精華町の井上博方(ひろのり)さん(64)。 第1回大会は1990年5月に、京都府南部と三重県で開いた「徳川家康追跡マラニック」(約100キロ、現在は約120キロ)だった。当時は会社員で、京都府木津川市の山城地域を自転車で走っていて、偶然、後醍醐天皇ゆかりの碑を見つけた。周